バッキングギターとは？リードやベースとの違いを徹底解説

バンド演奏の中でよく耳にするバッキングギターとは何なのか、具体的に説明できる人は意外と少ないかもしれません。

特に初心者にとっては、リードギターやベースとの違いがわかりづらく「バッキングって本当に必要なの？」「いらないのでは？」と感じてしまうこともあるでしょう。しかし、バッキングギターは曲全体の土台を支える非常に重要なパートです。

本記事では、バッキングギターとはどういう役割を持つのか、ボーカルとの関係性や演奏のやり方、上手い人の特徴まで、幅広く解説していきます。これからギターを始めたい初心者に向けたおすすめの練習方法や機材情報も紹介しているので、基礎からしっかりと理解したい方にもぴったりです。

音楽の中で目立つことは少なくても、演奏全体の完成度を左右するのがバッキングギターの魅力。この記事を通して、その奥深い世界に触れてみてください。

記事のポイント

バッキングギターの基本的な役割と特徴
リードギターやベースとの具体的な違い
初心者が始めるためのやり方と練習法
ボーカルとの関係や演奏時のポイント

「はじめてのソロギター講座」なら、初心者でも安心！

ギター経験ゼロでも、本格的なソロギター演奏ができると評判のオンライン教材。

楽譜が読めなくても大丈夫。プロギタリストが基礎から丁寧に指導するステップ式カリキュラムで、最短30日で習得可能！　忙しい人でもスキマ時間で気軽に学べます。

こんな人におすすめ！

☑独学でつまづいた方
☑ギター教室に通う時間のない方
☑短期間で身につけたい方

ギター１本でかっこよく弾ける！はじめての「ソロギター講座」を詳しく見てみる

バッキングギターとは？リードギターやベースとの違い
バッキングギターは初心者にも必要か？

バッキングギターとは？リードギターやベースとの違い

バッキングギターとはどんな役割？
ソロとの違い
リードギターとの違い
ベースとの違い
バッキングギターは本当にいらないのか？

バッキングギターとはどんな役割？

バッキングギターとは、楽曲全体を支える「伴奏」の役割を担うギターパートです。バンド演奏においては、ボーカルやリードギターの背後でリズムや和音を刻み、曲の土台を形作る重要なポジションです。主役ではありませんが、その存在感は演奏の安定感や雰囲気づくりに直結します。

まず、バッキングの最大の役割は「リズムとハーモニーの提供」です。歌やメロディが浮き立つよう、コードを弾きながらリズムを一定に保つことで、他のパートが安心して演奏できます。ギターにおいては、ストローク（コードを一定のリズムでかき鳴らす）やアルペジオ（コードの音を分散して弾く）など、状況に応じて多彩な奏法が使われます。

例えば、ロックバンドではパワーコードを使って力強いバッキングを鳴らしたり、ポップスではクリーントーンでアルペジオを奏でたりする場面がよくあります。これにより、同じコード進行でも楽曲の雰囲気がまったく違って感じられるのです。

一方で、バッキングギターはソロのように前に出ることは少なく、目立ちにくいパートでもあります。しかしながら、これがしっかりしていないと曲全体がぼやけてしまいます。そのため、演奏技術だけでなく、リズムキープ力や空間を読むセンスが求められます。

つまり、バッキングギターは「目立たないけれど絶対に欠かせない存在」と言えるでしょう。土台が安定してこそ、歌やソロパートが活きてくるのです。

ソロとの違い

バッキングとソロの違いを理解することは、ギター演奏における役割分担を知るうえで非常に重要です。両者は同じ楽器を用いていても、その目的や求められる技術がまったく異なります。

簡単に言えば、バッキングは「支える演奏」、ソロは「主張する演奏」です。バッキングはコードやリズムを通して曲全体を下支えし、他のパートが安心して演奏できるようにするのが主な役割です。対して、ソロはメロディや即興演奏を担い、リスナーの耳を惹きつける目立つパートとなります。

例えば、バンド演奏中にギターソロが始まると、その数十秒間はギタリストがリードボーカルのような立ち位置になります。スケールを駆使しながら音を紡ぎ、聴く人の心を揺さぶることが求められます。一方のバッキングは、リードの後ろにまわりつつも、一定のリズムとコード感をキープし、曲の流れを崩さないように演奏し続けます。

また、使われるテクニックにも違いがあります。ソロでは速弾きやチョーキング、ビブラートといった技巧が目立ちますが、バッキングではカッティングやミュート、ストロークパターンの工夫が求められます。つまり、ソロが「個性の表現」だとすれば、バッキングは「チームプレイの要」です。

このように、どちらも曲に欠かせない存在ですが、求められる役割と考え方は大きく異なります。演奏の目的や流れに応じて、この2つの使い分けを意識できるようになると、ギタリストとしての表現力が一段と広がります。

リードギターとの違い

バッキングギターとリードギターは、同じギターという楽器を使いながらも、楽曲内での役割や演奏スタイルが明確に異なります。この違いを理解することは、バンド演奏を組み立てるうえでの基本となります。

まず、バッキングギターは楽曲の背景を作る役目です。コード進行をもとにリズムを刻み、他の楽器やボーカルと調和を取りながら曲全体を支えます。いわば、建物でいうところの「土台」のような存在です。これにより、楽曲に安定感と奥行きが生まれます。

一方のリードギターは、メロディやソロを担当する華やかなパートです。曲の中で注目を集める部分を受け持ち、聴く人の印象に強く残る演奏を行います。イントロや間奏、ギターソロなどが主な出番です。

例えば、ポップスの中でも2本のギターを使うバンドでは、一人がオープンコードでストロークし、もう一人が単音でリフを弾くような分担がされることがあります。こうした編成で、バッキングギターは一貫してリズムを刻み、リードギターが動きのあるメロディを奏でることで、曲に厚みが生まれます。

ただし、リードギターがいない編成や、ギタリストが一人だけのバンドでは、バッキングとリードの役割を1人で切り替えながら演奏する必要もあります。その場合には、状況に応じてコード弾きとメロディ弾きを切り替える柔軟性が求められます。

このように、バッキングギターとリードギターは「裏方」と「主役」のような関係にあります。どちらか一方だけではバランスが崩れ、楽曲の魅力を最大限に引き出すことはできません。両者の違いを理解し、適切な役割を担えることが、上達への近道といえるでしょう。

ベースとの違い

バッキングギターとベースはどちらも伴奏を担う楽器ですが、役割や音域、演奏スタイルには明確な違いがあります。この2つの違いを正しく理解することで、バンドアンサンブルの中での立ち位置や、それぞれの楽器の重要性がより明確に見えてきます。

まず大きな違いは、音域です。ギターは中高音域を担当し、コード（和音）を中心に演奏するのに対して、ベースは低音域を専門に扱い、主に単音でルート音を支えるプレイが中心となります。この音域の違いによって、楽曲全体の厚みや安定感が生まれます。

演奏スタイルにも違いがあります。バッキングギターはコードストローク、アルペジオ、カッティングなど、さまざまな奏法でリズムとハーモニーを演出します。一方、ベースはルート音を基準に、シンプルながらもリズムの核を形成するフレーズを繰り返すことが多く、グルーヴ感の土台を作る役割を担います。

例えば、ロックバンドの中では、ギターが歪んだコードでリズムを刻みながら、ベースがドラムとともに低音で拍を支えていくという構成が一般的です。これにより、聴き手は自然と体を動かしたくなるようなノリを感じることができます。

このように、バッキングギターとベースは似ているようで、それぞれがまったく異なる役割を持つ独立した楽器です。片方が欠けてもバランスの取れたサウンドにはなりません。両者が互いに補完し合うことで、楽曲に立体感とまとまりをもたらしているのです。

バッキングギターは本当にいらないのか？

一部の人の中には「バッキングギターは目立たないからいらないのでは？」という声もあるかもしれません。しかし、バンド編成においてバッキングギターの存在は決して無駄ではなく、むしろ必要不可欠な要素です。

言ってしまえば、バッキングギターがなければ楽曲の骨組みが崩れてしまいます。なぜなら、バッキングギターはコードとリズムを担当し、ボーカルやリードギター、さらにはベースやドラムと調和しながら曲の基盤を作るからです。特にライブやセッションでは、バッキングの安定感が演奏全体の出来を左右すると言っても過言ではありません。

ただし、すべての楽曲にバッキングギターが必要かと言えばそうではありません。楽器編成やアレンジによっては、バッキングの役割をキーボードやアコースティックギターが担うこともあります。また、ギター1本だけで演奏されるソロアーティストであれば、バッキングとメロディを一人で兼任する場面もあるでしょう。

しかし、バンドにおいてギターが2人いる場合、片方がバッキングに専念することで、リードギターが自由に動けるようになり、演奏の幅が広がります。リズムの厚みや音の密度も増し、全体としてより豊かなサウンドになります。

このように考えると、バッキングギターは「目立たないからいらない」のではなく、「目立たなくても重要」な存在なのです。見た目には控えめであっても、音楽の中では不可欠な役割を果たしています。

バッキングギターは初心者にも必要か？

バッキングギターのやり方と練習法
バッキングギターが上手い人の特徴
バッキングギターにおすすめの機材
ボーカルとの相性
初心者がバッキングギターを始めるには
バッキングギターで音楽の土台を作ろう

バッキングギターのやり方と練習法

バッキングギターを始めるにあたって、やり方や練習法を正しく理解することは非常に重要です。なぜなら、単にコードを押さえて弾くだけでは、楽曲の中で効果的なバッキングにはならないからです。

まず基本的なやり方としては、「コードフォームを覚えること」と「リズムパターンを身につけること」が第一歩になります。オープンコードやパワーコードといった基本形を確実に押さえられるようにし、それを8ビートや16ビートのストロークでリズムよく弾く練習が効果的です。最初はメトロノームを使い、テンポを一定に保ちながら弾くことでリズム感が鍛えられます。

次に取り組みたいのが「ミュート」「ブリッジミュート」「カッティング」などのリズム技術です。これらを適切に使えるようになると、バッキングの表現力が格段にアップします。特にファンクやポップス系の楽曲では、こうしたニュアンスのあるバッキングが重要な要素になります。

練習法としておすすめなのは、特定のリズムパターンを5分間弾き続けるという方法です。これは単に持久力を養うだけでなく、「安定したリズムで弾き続ける技術」を磨く上で非常に効果的です。例えば、BPM=120で同じコードを8ビートで5分間刻むだけでも、初心者にとっては十分な練習になります。

一方で、注意点として「単調な練習だけに頼らない」ことも挙げられます。リズム感を養うには、実際の曲に合わせて弾く練習も非常に有効です。好きな曲のバッキングを耳コピして、自分の演奏と重ねて違和感がないか確認する作業を繰り返すことで、実戦的なスキルが身に付きます。

このように、バッキングギターは見た目以上に奥深く、リズムや表現力を高めるための継続的なトレーニングが必要です。繰り返しの中で徐々に上達を感じられるのも、バッキング練習の大きな魅力だと言えるでしょう。

バッキングギターが上手い人の特徴

バッキングギターが上手い人にはいくつか共通する特徴があります。その中でも最も重要なのが「リズム感」と「音のコントロール力」です。目立たないパートであっても、楽曲全体を支える役割を担うため、高い安定性と演奏精度が求められます。

まずリズム感の良さは絶対条件です。バッキングギターはバンド全体のリズムを形作る役割を担っており、少しでもタイミングがズレると曲全体が不安定になってしまいます。上手い人ほど、メトロノームやドラムにぴったり合った正確なリズムで弾くことができます。さらに、ただテンポ通りに弾くだけでなく、「前ノリ」や「後ノリ」といったリズムのニュアンスを使い分けることで、曲にグルーヴ感を与えることもできます。

次に挙げられるのが「音の引き算ができること」です。バッキングでは、すべての音をしっかり鳴らすのではなく、ミュートを活用してリズムを際立たせたり、弾かない弦を意識して間を作ったりすることが重要です。上手なギタリストは、あえて余白を残したプレイで、曲全体のバランスを保つことができます。

また、場面に応じた音色選びができるのも大きな特徴です。曲に合わせてクリーントーンにするか、軽く歪ませるかなど、サウンドのコントロールが自然にできる人は、アンサンブル全体の完成度を一段上げてくれます。

そしてもう一つは、他のパートをよく聴いていることです。自分のパートに集中するだけでなく、ボーカルのフレーズやドラムのグルーヴに合わせてバッキングを微調整できる柔軟さも、上手い人に共通する資質です。

このように、派手さはなくても「的確に、丁寧に、曲を活かす演奏ができること」が、バッキングギター上達の鍵となります。

バッキングギターにおすすめの機材

バッキングギターを効果的に演奏するためには、使用する機材選びが非常に重要です。機材によって音の質感や弾き心地が大きく変わるため、目的に合った機材を選ぶことで、より表現力のあるバッキングが可能になります。

まずおすすめしたいのが、クリーントーンの出力が得意なアンプです。代表的なものではFender系のアンプ（例：Fender Twin Reverb）が挙げられます。透明感がありつつ、コード感がくっきりと出るため、アルペジオやカッティングとの相性が非常に良好です。

次に重要なのがエフェクターの選び方です。バッキング用途では、オーバードライブやコンプレッサー、コーラス、リバーブあたりが特に活躍します。例えば、軽く歪ませたオーバードライブはロック系のパワーコードに最適ですし、コンプレッサーはストロークの音を整えてくれるため、リズムが安定して聴こえるようになります。コーラスを加えれば、クリーントーンに広がりが生まれ、ポップスやバラードに彩りを加えることもできます。

ギター本体についても触れておきましょう。ストラトキャスター系やテレキャスター系のギターは、抜けの良いサウンドと扱いやすいレスポンスで、バッキングとの相性が非常に良いとされています。ハムバッカーを搭載したギターなら、より厚みのあるコードサウンドを求めるロック系プレイヤーにも対応可能です。

これに加えて、演奏環境に合わせたセッティング調整も忘れてはいけません。スタジオやライブ会場では音の反響が異なるため、リバーブの量やイコライザーの設定なども丁寧に調整しましょう。

このように、バッキングに最適な機材は目的とジャンルによって異なりますが、「シンプルかつ明瞭な音作り」が基本です。必要以上に歪ませず、コードの輪郭をしっかりと残すことが、良質なバッキングにつながります。

ボーカルとの相性

バッキングギターの役割を語るうえで、ボーカルとの相性は非常に重要なテーマです。なぜなら、バッキングは単なるコード演奏ではなく「歌を引き立てるための演奏」であるべきだからです。

そもそもボーカルは楽曲の中心に位置づけられる存在です。リスナーが最も注目するのはメロディや歌詞であり、その魅力を支えているのがバッキングギターの演奏なのです。例えば、歌が静かな場面ではバッキングも抑えたアルペジオで控えめに支えるべきですし、サビなど盛り上がる箇所ではしっかりとコードストロークで厚みを出していく必要があります。

このときに意識したいのが「音量」や「音の密度」です。ボーカルをかき消すような音量や激しいストロークは避け、あくまで歌が主役であることを忘れてはいけません。上手なバッキングプレイヤーほど、ボーカルのニュアンスに合わせて演奏の力加減を調整しています。

さらに、リズムの合わせ方も大きなポイントです。バッキングが少し走ってしまうと、ボーカルが追いつけずに全体のノリが崩れます。逆に、わずかに後ろで弾くことで、歌が前に出てきやすくなる場合もあります。このような微調整が、シンプルに聴こえるバッキングの中に奥行きを生み出しているのです。

また、歌とギターが「会話をしている」かのように感じさせるようなプレイも理想的です。間奏の入りやブレイクポイントでのコードの切り方一つでも、歌との呼吸が合っていると、曲全体の完成度がぐっと上がります。

このように、ボーカルとバッキングは互いに引き立て合う関係にあります。自分の演奏を主張しすぎず、それでいて楽曲にしっかりと存在感を与える――そんなバランス感覚が、バッキングギターには求められます。歌の魅力を最大限に活かすためにも、ボーカルとの相性を常に意識した演奏を心がけましょう。

初心者がバッキングギターを始めるには

バッキングギターをこれから始めたいと思っている初心者の方にとって、最初のステップは「基本的なコードとリズムパターンを習得すること」です。派手さはないかもしれませんが、バンド演奏の土台となるバッキングは、音楽を支えるうえで非常に重要な役割を担っています。正しい始め方を知ることで、効率よくスキルを伸ばすことができます。

まず取り組みたいのが、オープンコードの習得です。C、G、D、Am、Emなど、基本的なコードを覚えることで、多くのポップスやロック曲に対応できます。これらのコードをしっかり押さえられるようになれば、すぐに簡単なバッキングを体験することができます。指のフォームが安定しないうちは、無理に速く弾こうとせず、音がしっかり鳴っているかを確認しながら練習しましょう。

次に大切なのが、リズムの安定です。メトロノームを使って8ビートや16ビートのストロークを一定のテンポで刻む練習を繰り返すことで、バッキングの要となるタイム感が身につきます。例えば「1・2・3・4」のカウントに合わせてダウンストロークのみでコードを弾くだけでも、リズム練習としては非常に効果的です。

また、演奏と同時に「耳を鍛えること」も意識しましょう。好きなアーティストのバッキングパターンを真似したり、簡単な曲を耳コピしてみたりすることで、コードの響きや演奏の雰囲気を体感的に覚えられます。テキストだけでは学びきれない感覚的な部分を養う良いトレーニングになります。

さらに、音楽を楽しみながら続けることも重要です。あまり難しい課題にばかり取り組むのではなく、知っている曲や好きなジャンルの中から弾けそうなフレーズを選びましょう。実際にバンド音源と一緒に演奏することで、演奏の感覚がぐっとリアルに掴めるようになります。

このように、初心者にとっての第一歩は「基礎の徹底」と「リズム練習」、そして「楽しむこと」の3つが鍵です。焦らずコツコツ取り組むことで、着実にバッキングギターのスキルが育っていきます。

バッキングギターで音楽の土台を作ろう

音楽をしっかりと支えるために、バッキングギターは「土台を作る存在」として欠かせない役割を担っています。主役のように目立つわけではありませんが、その働きによって曲全体のまとまりや説得力が生まれます。ギターという楽器においても、こうしたバッキングの力は非常に大きいものです。

バッキングギターが土台になるのは、コード進行とリズムを一貫して演奏することで、他のパートが安心して動ける環境を作るからです。ボーカルはその上にメロディを乗せ、リードギターやキーボードもバッキングのベースに沿ってフレーズを構築します。言い換えると、バッキングギターが安定していなければ、他の楽器も生き生きと演奏することが難しくなるのです。

具体的な例としては、シンプルな8ビートのコードバッキングでも、音の強弱やストロークのニュアンスを変えるだけで、楽曲の空気が大きく変わります。ブリッジミュートでタイトな雰囲気を出すのか、アルペジオで柔らかい響きを出すのかなど、バッキング次第で曲の印象はまったく異なるものになります。

また、音楽の流れをコントロールする役目もあります。例えばAメロでは抑えめに弾いて静けさを演出し、サビでは音の密度を上げて盛り上げるといったように、ダイナミクスの調整によって楽曲にメリハリが生まれます。こうした演奏の「強弱」をコントロールできるのも、バッキングならではの面白さです。

さらに、バッキングがしっかりしているバンドは「グルーヴ」が安定します。ギター、ベース、ドラムが一体となってリズムを刻むことで、聴いている人が自然と身体を揺らしたくなるようなノリが生まれるのです。バッキングギターがその中核を担っていると考えると、その重要性は一層明確になるでしょう。

このように、バッキングギターは単なるコード弾きではなく、楽曲全体の質感や雰囲気、リズム感を決定づける要素です。表に出ることは少なくても、音楽の「地盤」としての役割を果たすバッキングこそが、曲の完成度を左右する大きなポイントだと言えます。