「グラスルーツギターの評判はどうなんだろう?」「最初の1本に選んでも失敗しないかな?」と考えて検索されたのではないでしょうか。
価格が手頃なため魅力的に感じる一方で「ダサい」「やめとけ」といったネガティブな意見も目にすることがあり、実際の品質について気になっている方も多いはずです。
また、同じ価格帯のエピフォンや、初心者の定番であるヤマハのパシフィカとの比較でどちらが良いか迷うこともあるでしょう。人気のレスポールモデルの特徴や、中古で購入する際の注意点など、後悔しないギター選びのためには知っておきたい情報がたくさんあります。
この記事では、グラスルーツギターに関する様々な評判を徹底的に分析し、初心者におすすめできるのかどうか、客観的な視点から総合的に解説します。
グラスルーツギターの評判|購入前の基本情報
- そもそもグラスルーツギターとは?
- グラスルーツギターの品質は価格相応か
- ダサいと言われる理由を徹底解説
- やめとけという意見は本当?
- エピフォンとの比較で見る立ち位置
そもそもグラスルーツギターとは?
グラスルーツ(GrassRoots)は、日本の高名なギターメーカー「ESP」がプロデュースするブランドの一つです。その主な役割は、これからギターを始める初心者や、2本目のギターを探している中級者をターゲットに、コストパフォーマンスに優れた製品を提供することにあります。
ESPブランドのギターが数十万円から百万円を超えるプロ仕様であるのに対し、グラスルーツは定価4万円~6万円台のモデルが中心です。これにより、ESPが持つシャープなデザインやロック志向のコンセプトを、より多くの人が手に取りやすい価格で体験できるようになっています。
「最初からルックスにもこだわりたい」と考える入門者にとって、非常に魅力的な選択肢となるブランドです。
グラスルーツギターの品質は価格相応か
グラスルーツギターの品質は、その価格帯を考慮すると「価格以上の価値がある」と評価できます。なぜなら、低価格を実現しつつも、親ブランドであるESPの厳しい品質管理基準のもとで製造されているからです。
もちろん、コストを抑えるために様々な工夫が凝らされています。例えば、美しい杢目(もくめ)を持つモデルのボディトップには、「フレイムメイプル・ベニヤ」という薄い化粧板が使用されています。これは音質への影響はほとんどありませんが、見た目の高級感を演出する効果的な手法です。
また、ピックアップやペグといったパーツ類も、上位ブランドで採用される高性能なものではなく、コストを重視した汎用的なものが搭載されています。
これらの点から、プロがレコーディングや大規模なライブで使用するには力不足な面は否めません。しかし、初心者が自宅で練習したり、文化祭やライブハウスで演奏したりする上では、全く問題のない十分なクオリティを確保しています。
ダサいと言われる理由を徹底解説
俺にも、グラスルーツとかアイバニーズみたいな尖ったギターはダサい!認めない!フェンダーとギブソン系以外ギターじゃない!みたいな時期があったよ
— 愛植男 (@kiritanperopero) December 16, 2018
高校生の時にグラスルーツのフォレストベース買おうかなって悩んでた時に,同級生のギターの奴がダサいから買わない方が良いって止めてくれたこと改めて感謝してる pic.twitter.com/5ychTW7A93
— matsumoka(ひよp) (@matsumoka) September 26, 2015
インターネット上では、時折「グラスルーツはダサい」という声が見受けられますが、これは個人の主観や好みに大きく左右される評価です。このように言われる背景には、主に二つの理由が考えられます。
一つ目は、デザインの方向性です。グラスルーツは、ESPの系譜を受け継ぎ、FORESTシリーズのような鋭角的で個性的なデザインのモデルもラインナップしています。
こうしたデザインは、ハードロックやヴィジュアル系の音楽を好む層には絶大な支持を得ていますが、一方で伝統的なストラトキャスターやレスポールの形状を好む人からは「奇抜すぎる」と敬遠され、「ダサい」という印象を持たれることがあります。
二つ目は「初心者向けブランド」というイメージです。ギターの世界では、高価な機材を持つことが一種のステータスと見なされる風潮が一部に存在します。
そのため、廉価なブランドであるグラスルーツを持つこと自体を「初心者っぽい」「格好悪い」と感じる人が、このような評価を下していると考えられます。
しかし、デザインの好みは人それぞれですし、大切なのは楽器の価格ではなく、その楽器でどれだけ楽しめるかです。したがって、「ダサい」という評判はあくまで一部の意見として捉え、ご自身の好みに合うかどうかで判断するのが賢明です。
やめとけという意見は本当?
「グラスルーツはやめておけ」というアドバイスも、前述の「ダサい」という評判と同様に、特定の視点からの意見であり、全ての人に当てはまるものではありません。
この言葉の真意は「もしあなたが将来プロを目指したり、音質に一切の妥協をしたくないのであれば、最初からもっと上位のモデルを選ぶべきだ」というニュアンスを含んでいる場合が多いです。
確かに、より高価なギターは、良質な木材や高性能なパーツを使用しているため、音の深みやサステイン(音の伸び)、チューニングの安定性といった面で優れています。そうしたギターと比較すれば、グラスルーツが見劣りするのは事実です。
しかし、これはグラスルーツの品質が低いという意味ではありません。あくまでもターゲットとするユーザー層と価格帯が異なるだけです。ギターを始めたばかりの人が、その違いを明確に体感するのは難しいでしょう。
むしろ、手頃な価格でしっかりとした作りのギターを手に入れられるグラスルーツは、ギターを始める上でのハードルを下げてくれる存在です。趣味として長く楽しみたい、気軽にバンドを組んでみたいという方にとって「やめておく」必要は全くなく、むしろ最適な選択肢の一つと考えられます。
エピフォンとの比較で見る立ち位置
グラスルーツを検討する際、必ずと言っていいほど比較対象となるのが「エピフォン(Epiphone)」です。両者の立ち位置を理解するために、以下の表で特徴を比較してみましょう。
特徴 | グラスルーツ (GrassRoots) | エピフォン (Epiphone) |
親ブランド | ESP | ギブソン (Gibson) |
デザイン傾向 | モダン、ロック、個性的、シャープ | トラディショナル、クラシック、王道 |
得意なジャンル | ハードロック、メタル、ヴィジュアル系 | ブルース、ロックンロール、ジャズ |
サウンドの方向性 | パワフル、エッジの効いた現代的な音 | ウォーム、甘く太いビンテージ志向の音 |
代表モデル | レスポール、SG、FOREST、HORIZON | レスポール、SG、ES-335、カジノ |
要するに、エピフォンが「ギブソン直系の王道サウンドとルックス」を求める人に向いているのに対し、グラスルーツは「ESP譲りのモダンで攻撃的なサウンドとルックス」を好む人に適しています。
あなたがどのようなアーティストに憧れ、どのような音楽を演奏したいかによって、どちらがより魅力的に映るかが変わってくるでしょう。
モデルで見るグラスルーツギターの評判と選び方
- ヤマハのパシフィカとの違いは?
- 人気のレスポールモデルの特徴
- 初心者におすすめのモデルはこれ
- 中古で購入する際の注意点
- 総括!グラスルーツギターの評判
ヤマハのパシフィカとの違いは?
「初心者の最初の一本」という文脈で、ヤマハのパシフィカ(Pacifica)シリーズは絶対的な地位を確立しています。では、グラスルーツとパシフィカはどのように違うのでしょうか。
端的に言えば、パシフィカは「非の打ちどころがない万能な優等生」、グラスルーツは「特定のスタイルに特化した個性派」と特徴づけることができます。
パシフィカは、弾きやすいネック形状、バランスの取れたボディ、幅広い音作りが可能なピックアップ構成(HSS配列など)といった特徴を持ち、どんなジャンルの音楽にも高いレベルで対応できます。その安定感と信頼性は、多くのギター講師が推奨するほどです。
一方、グラスルーツは、前述の通りレスポールタイプやSGタイプ、さらには変形ギターといった、よりキャラクターの立ったモデルを豊富にラインナップしています。
「こういうロックな音が欲しい」「あのアーティストみたいな見た目のギターが欲しい」といった、明確な目的がある場合には、パシフィカよりも理想に近い一本を見つけやすいかもしれません。
どちらを選ぶかは、安定した万能性を取るか、特定のジャンルへの特化とデザイン性を取るか、という選択になります。
人気のレスポールモデルの特徴
グラスルーツのラインナップの中で、常に高い人気を誇るのがレスポールタイプのモデルです。G-LP-60SやG-LP-60Cといったモデルは、多くのギタリストが憧れるレスポールのルックスとサウンドを、非常に高いコストパフォーマンスで実現しています。
これらのモデルの最大の特徴は、本家の仕様をリスペクトしつつ、初心者でも弾きやすいように工夫が施されている点です。
例えば、伝統的なレスポールは重くてネックが太い傾向にありますが、グラスルーツのモデルはボディ材の選定やネックシェイプの調整により、比較的軽量で握りやすい設計になっています。
また、この価格帯でありながら、ネックとボディを接着剤で固定する「セットネック方式」を採用している点も特筆すべきです。
これにより、豊かなサステイン(音の伸び)が得られ、本格的なレスポールサウンドに近づいています。美しい木目を持つスタンダードタイプから、精悍なカスタムタイプまで、好みに合わせて選べる点も人気の理由です。
初心者におすすめのモデルはこれ
これからギターを始める方がグラスルーツを選ぶなら、まずはオーソドックスな形状のモデルから検討するのがおすすめです。なぜなら、クセのない形状のギターは構えやすく、基本的な演奏フォームを身につけるのに適しているからです。
ロックが好きならレスポールタイプ
もしあなたがロックミュージックに強く惹かれているのであれば、前述のレスポールタイプ、特に「G-LP-60S」が最適です。ハムバッカーピックアップが2基搭載されており、歪ませた際に太くパワフルなサウンドを生み出します。
憧れのロックヒーローのようなサウンドを、手に入れたその日から楽しむことができます。
幅広いジャンルに挑戦したいならストラトタイプ
ポップスからロック、ファンクまで、多様な音楽に挑戦してみたいという方には、ストラトキャスタータイプの「G-SE-50R」が良いでしょう。
3つのシングルコイルピックアップを搭載し、セレクタースイッチを切り替えることで、シャープで繊細な音から歯切れの良いカッティングサウンドまで、多彩な音色を操ることが可能です。
汎用性が非常に高いため、自分の好きなジャンルがまだ定まっていない方にも安心しておすすめできます。
中古で購入する際の注意点
グラスルーツは中古市場にも豊富に流通しており、新品よりもさらに安価に手に入れることが可能です。しかし、中古品には個体差や前の所有者の扱いによるコンディションの違いがあるため、購入時には細心の注意が求められます。
中古ギターを選ぶ際に、最低限チェックすべきポイントは以下の通りです。
- ネックの状態:ネックが大きく反っていないか、順反り・逆反りの両方向から確認します。僅かな反りであればトラスロッドで調整可能ですが、限界まで締め切られている場合は避けるのが無難です。
- フレットの減り:フレットが極端にすり減っていると、音詰まりやピッチのズレの原因となります。特にローフレット(1~5フレットあたり)は減りやすいので念入りに確認しましょう。
- 電気系統の動作:アンプに接続し、ボリュームやトーンのノブを回した際に「ガリガリ」というノイズが出ないか、ピックアップセレクターが正常に機能するかを確認します。
- 外観とパーツ:大きな打痕や塗装の剥がれがないか、ペグやブリッジなどの金属パーツに過度な錆や破損がないかをチェックします。
これらの点を自分一人で判断するのが不安な場合は、信頼できる楽器店の店員に相談するか、経験者の友人に付き添ってもらうと良いでしょう。状態の良い中古品を見つけることができれば、非常にお得な買い物になります。
総括!グラスルーツギターの評判
- グラスルーツはESP傘下の初心者・中級者向けブランド
- 価格帯は4万円から6万円台が中心でコストパフォーマンスが高い
- ESP譲りのデザイン性でルックスの良いギターが手に入る
- 品質は価格以上と評価されており初心者の練習やライブには十分
- プロが使用するハイエンドモデルとは明確な差がある
- 「ダサい」という評判はデザインの好みや主観による部分が大きい
- 「やめとけ」はプロ志向や音質最優先の場合のアドバイスであり万人に当てはまらない
- エピフォンはギブソン直系の伝統的なスタイル
- グラスルーツはESP直系のモダンでロックなスタイル
- ヤマハのパシフィカは万能な優等生、グラスルーツは個性派
- レスポールモデルは本格的な仕様と弾きやすさを両立し人気が高い
- 初心者にはレスポールタイプかストラトタイプがおすすめ
- 中古品は安価だがネックやフレット、電気系統の状態確認が必須
- 最初の1本として、また気軽に楽しむセカンドギターとして最適な選択肢
- 憧れのアーティストがESPを使っているなら世界観を共有できる魅力がある