憧れのギターを手に入れるなら、絶対に見た目で失敗したくないですよね。でも、いざ購入しようとすると、ギターの色選びで後悔しないか不安になってしまうこともあるはずです。
人気の色を選べば安心なのか、それとも自分が好きな派手な色だとダサいと思われてしまうのか、悩みは尽きません。
特にエレキギター女子の間で話題になる自分に似合う色の見つけ方や、照明で青いギターがどう見えるかなど、知っておくべきことは山ほどあります。
何色がかっこいいのか迷っているあなたのために、今回は維持管理や資産価値の視点から徹底解説します。
ギターの色で後悔する構造的要因
「こんなはずじゃなかった」という後悔は、単に「色が飽きた」という感情的な問題だけではありません。実は、物理的なメンテナンスの大変さや、置かれる環境とのミスマッチといった構造的な要因が深く関わっているのです。
失敗しないギターの色選びの基準
ギターの色選びにおいて最も重要なのは、「購入時の理想」と「所有後の現実」のギャップを埋めることです。
店頭で輝いている新品のギターは魅力的ですが、その輝きを維持するためにどれだけの労力が必要か、あるいは数年後にその色がどう変化するかまで想像できている人は多くありません。
失敗しないための基準として、以下の3つの視点を持つことをおすすめします。
- 維持管理のコスト:その美しさを保つために、どれくらいの頻度で掃除が必要か?
- 経年変化の許容度:色が変色した際、それを「劣化」と感じるか「味」と感じるか?
- 社会的文脈:自分の服装や部屋、ステージの照明と調和するか?
これらを無視して、単に「かっこいいから」という理由だけで選んでしまうと、後々「購入後の不協和」と呼ばれる心理的なストレスを抱えることになってしまいます。
人気の色に潜む維持管理のリスク
ロックの歴史において「黒(ブラック)」は権威や反逆を象徴する色として常に不動の人気を誇ります。しかし、実はこの黒いギターこそが、最も後悔を生みやすい選択肢の一つであることをご存知でしょうか。
その最大の理由は「汚れの可視化」です。黒いボディは光を吸収するため、表面に付着した皮脂(指紋)や埃が、光の乱反射によって白く浮かび上がり、極めて鮮明に見えてしまいます。
黒いギターのパラドックス
他の色と同じ頻度で弾いていても、黒いギターだけは「常に汚れている」ように見えてしまいます。これが所有者にとって「常に楽器を磨かなければならない」という心理的プレッシャーとなり、練習へのモチベーションを下げるリスクがあります。
また、「白(ホワイト)」系のギターにもリスクがあります。特にポリウレタン塗装などの白いギターは、紫外線や温度変化によって成分が化学変化を起こし、数年でクリーム色や黄色に変色(黄変)してしまうのです。
これを「ヴィンテージの貫禄」と捉えられる人は良いのですが、新品の真っ白さを維持したいと考えている人にとっては、大きなショックとなるでしょう。
ダサい色はコンテキストで決まる
よく検索される「この色はダサいですか?」という質問に対する私の答えは「色そのものにダサい・かっこいいはない」というものです。
色がダサく見えてしまう原因は、ギター単体ではなく、周囲の環境(コンテキスト)との不整合(ミスマッチ)にあります。
例えば、ナチュラルウッドやモノトーンで統一されたおしゃれな部屋に、蛍光色の派手なギターを飾った場合、それは「異物」として浮いてしまい、インテリアの調和を乱す存在になります。
結果として、ギターをケースにしまい込むようになり、練習頻度が落ちるという悪循環に陥ることもあります。
また、木目が見える「ナチュラル」フィニッシュの場合、特に低価格帯のバスウッド材などでは、木目が不明瞭だったり不規則な筋が入っていたりと「個体の当たり外れ」が激しい点も注意が必要です。
ネット通販で実物を見ずに買うと、届いた個体の木目が気に入らずに後悔するケースが後を絶ちません。
青いギターはダサいのか照明で検証
ステージに立つことを夢見ている方にとって、照明との相性は死活問題です。ここで意外な落とし穴となるのが「青いギター」です。
ライブハウスの照明演出において、青い光は頻繁に使用されますが、青い照明の下で青いギターを持つとどうなるでしょうか。
答えは「背景と同化して消えてしまう」です。逆に、補色関係にあるオレンジ色の照明が当たると、青いギターは黒ずんで濁った色に見えることがあります。
解決策としてのLED
最近では、この問題を解決するために、ギター本体にLEDを内蔵して自ら発光させるプレイヤーもいます。照明環境に左右されず、自分の色を主張するための工学的アプローチと言えますね。
結局は何色がかっこいいのか
ここまでネガティブな側面をお話ししてきましたが「じゃあ何色ならいいの?」と思いますよね。最終的に「一番かっこいい色」とは「あなたのヒーローが使っている色」です。
例えば「赤いギター」は、派手で自己主張が強いため「恥ずかしい」と感じる初心者の方もいます。しかし、憧れのギタリストが赤いギターを弾きまくっている姿を見れば、その恥じらいは「あの人のようになりたい」という強烈なモチベーションに変わります。
機能的なメリット・デメリットを超越して「この色を持ってステージに立ちたい」と心から思えるなら、それがあなたにとってのベストカラーです。後悔しないためには、理屈よりも「愛着」が勝る選択をすることが重要なんですね。
ギターの色で後悔しないための対策
リスクを知った上で、それでも欲しい色がある、あるいは既に買ってしまって悩んでいる。そんな方のために、具体的な対策や考え方の転換方法をお伝えします。
自分に似合うギターの色の探し方
ギターをファッションの一部として捉えることで、自分に似合う色が明確になります。ここで意識したいのが「色数を3色以内に抑える」というコーディネートの法則です。
ギター単体で見るのではなく、当日の衣装、ストラップ、そしてギターを含めたトータルコーディネートで考えましょう。例えば、派手な色のギターを持つなら、衣装はモノトーンに抑えるといった引き算が有効です。
また、ストラップは「つなぎ」の役割を果たします。ギターの色と服の色が喧嘩してしまう場合、その両方の色が入っている、あるいは中和してくれるデザインのストラップを選ぶことで、全体を調和させることができます。
エレキギター女子の色選びと心理
最近増えている「エレキギター女子」の皆さんからも、色選びの相談をよく受けます。特に「赤やピンクは媚びているようで嫌だ」「黒は重すぎて似合わない気がする」といった悩みが多いようです。
女性の場合、ギターのサイズ感が相対的に大きくなるため、色の面積が与える印象も強くなります。
もし派手な色に抵抗がある場合は、パステルカラーや、フェンダーの「ソニックブルー」「シェルピンク」といった、淡くくすんだ色味(ニュアンスカラー)を選ぶのがおすすめです。これらは肌馴染みが良く、どんなファッションにも合わせやすい傾向があります。
重要なのは、「他人の目線」よりも「自分のテンション」を優先することです。鏡の前に立った時、自分が一番可愛く、あるいはかっこよく見える色を選んでください。
黒いギターの汚れとメンテナンス
もしあなたが「黒いギター」を選んだなら(あるいは選ぶつもりなら)、覚悟を決めてメンテナンスに取り組みましょう。黒いギターの美しさを維持するには、適切なポリッシュ選びが不可欠です。
適当なクリーナーを使うと、逆に塗装が白く曇ったり、拭き傷が増えたりして決定的な後悔につながります。以下の表に、市場で評価の高いおすすめのポリッシュをまとめました。
| 製品名 | 価格目安 | 特徴・おすすめユーザー |
|---|---|---|
| HISTORY HPP3 | 約¥1,200 | 島村楽器推奨の標準品。日常ケアに最適で、拭きムラが残りにくい。 |
| Ken Smith Pro Formula | 約¥1,760 | 世界的な定番。あらゆる塗装に対応しやすく、深い艶が出ます。 |
| TitanGlass Misty CLEAR | 約¥1,320 | ガラスコーティング系。塗膜を保護し、汚れをつきにくくしたい方向け。 |
| Gibson Pump Polish | 約¥990 | ラッカー塗装のギターにはこれ。ギブソンユーザーの必需品です。 |
コツは、クロスを2枚用意すること。「汚れ落とし用」と「仕上げ磨き用」を分けるだけで、黒いボディは見違えるような鏡面仕上げになります。
この手間を「愛着を深める儀式」と捉えられるようになれば、あなたはもう黒いギターの上級者です。
資産価値を左右する色の影響力
少し現実的な話になりますが、将来ギターを買い換える際の下取り価格(リセールバリュー)も気になりますよね。実は、色はここにも大きく影響します。
中古市場のデータを見ると、フェンダーのストラトキャスターなどは、状態が「美品(Mint)」か「並品(Fair)」かで、買取価格に30%以上の差が出ることがあります(参照:Stratocaster の 買取価格検索結果 | 楽器買取はイシバシ楽器)
ここで不利になるのが、傷が目立ちやすい黒や濃色のギターです。微細な擦り傷が見えやすいため、査定ランクが下がりやすい傾向にあるのです。
資産価値を守る色の選び方
リセールバリューを重視するなら、傷が目立ちにくいライトカラーや、最初から傷加工が施された「レリック」、あるいは市場で常に需要がある「サンバースト」や「ゴールドトップ」などの定番色を選ぶのが、経済的には賢い選択と言えます。
ステッカー等で後悔を払拭する
「もう買ってしまった色が気に入らない…」という場合も、諦めるのはまだ早いです。高額な再塗装(リフィニッシュ)をしなくても、パーツ交換やステッカーで印象をガラリと変えることができます。
例えば、ストラトキャスターなら「ピックガード」を交換するだけで別物になります。黒いボディの白いピックガードを黒に変えればデヴィッド・ギルモア風になりますし、アクリル透明にして裏から白く塗れば輪郭が際立ちます。
また、ボディ裏のバックパネルにステッカーを貼るのもおすすめです。面積が小さく平面なので初心者でも貼りやすく、演奏中は見えないため、こっそりと個性を主張できる「キャンバス」になります。
こうしたカスタマイズで「自分だけの楽器」に作り変えてしまうのも、後悔を払拭する楽しい方法ですよ。
ギターの色で後悔しない総まとめ
ギターの色選びにおける「後悔」は、メンテナンスの負担や社会的コンテキストとのズレから生じますが、それは工夫次第で乗り越えられます。
黒を選ぶならポリッシュにこだわり、白の変色はヴィンテージの味と捉え、似合わないと感じたらコーディネートでカバーする。
大切なのは、色が持つメリットとデメリットを理解した上で、それでも「これが弾きたい」と思える一本を選ぶことです。
正しいケアで磨き上げられたギターは、プラシーボ効果であなたの演奏まで良くしてくれます。ぜひ、あなただけの色を見つけて、素敵なギターライフを送ってくださいね。
