ギターを始めたものの、思うように上達しないという現実に直面している人は多いでしょう。
その理由は、指の痛みや弾きたい曲が弾けないという技術的な壁、さらには騒音問題など、さまざまな困難が待ち受けています。こうしたことから「ギターは無理ゲー」と感じる人が少なくありません。しかし、挫折しない人には共通するポイントがあり、効果的な挫折しない方法も存在します。
このような課題に対処し、ギターを楽しく続けるためのコツを紹介していきます。
- ギターを挫折する主な理由とその背景
- ギターが「無理ゲー」と感じられる具体的な要因
- 騒音問題がギター練習に与える影響
- 挫折しないための具体的な方法や工夫
ギター挫折率は9割! その理由は?
ギターを始めた人のうち、実に9割が1年以内に挫折してしまうという驚くべきデータがあります。その原因は多岐にわたり、指や手首の痛み、技術的な壁、さらに騒音問題といったさまざまな障害が挙げられます。特に初心者にとって、ギターは「無理ゲー」と感じられるほど難しく、練習環境の制約や上達の遅さがモチベーション低下につながりやすいのです。ここでは、ギターを挫折してしまう理由と、それをどう乗り越えるかを解説していきます。
1年以内に9割の人が辞めている
フェンダー社の調査によると、毎年100万人の人がギターを始めますが、1年後に続けているのはわずか10万人だそうです。ギターを始める人は多いですが、9割の人が1年以内に挫折すると言われています。
One problem? 90 percent of those beginners also abandoned the instrument within their first 12 months of playing.
(日本語訳:1 つの問題は、初心者の 90 パーセントが演奏開始から 12 か月以内に楽器をやめてしまうことです)90% of new guitarists abandon the instrument within a year, according to Fender“We have a member retention issue,” says Fender CEO Andy Mooney
この挫折率は非常に高く、多くの初心者が思い描いていた理想のギタープレイにたどり着く前に、辞めてしまうのです。では、なぜこれほど多くの人がギターを続けられないのでしょうか? その理由と対策について解説していきます。
挫折する主な理由とは?
ギターを挫折する主な理由はいくつかありますが、その中でも初心者が共通して直面する課題を以下にまとめます。
指や手首の痛み
ギターは、弦を押さえることで指先に強い負荷がかかります。特にアコースティックギターの場合、弦が硬く、初心者の指には慣れない圧力がかかるため、指先に痛みや違和感を感じやすいです。さらに、無理な姿勢や余計な力が加わると、手首や肩に負担がかかり、痛みが生じることがあります。痛みが続くと、練習すること自体が嫌になり、次第にギターから遠ざかる原因となります。
指が思うように動かないこと
特に初心者にとっては、薬指や小指を思い通りに動かすことが難しく、コードチェンジがスムーズにできないという問題に直面します。ギターを始めてすぐの時期に、コードを押さえながらリズムに合わせて演奏するという基本動作ができないと、挫折感が強まります。初心者にとって、この技術的なハードルを超えるのは容易ではなく「自分には才能がない」と感じてしまうことも多いです。
好きな曲が弾けるようにならないこと
ギターを始めるきっかけの一つとして、好きなアーティストの曲やかっこいいギタープレイに憧れている人は少なくありません。しかし、実際にギターを始めてみると、基礎練習やコード練習に多くの時間を費やす必要があり、なかなか憧れの曲を弾ける段階に達しないことが多いです。初めて取り組む曲が難易度の高いものである場合、スムーズに演奏できるまでには相当な練習が必要です。このギャップに失望し、モチベーションが低下してしまうことが挫折につながります。
弾き語りができない
弾き語りは、ギターを弾きながら同時に歌う技術を必要としますが、初心者にとっては非常に難しい課題です。ギターのコードを押さえながらリズムをキープし、さらに歌を合わせるという複数の動作を同時に行うため、初めて挑戦する人には負担が大きいです。この複雑さに挫折してしまう初心者も多く、ギターをやめる大きな要因となっています。
周囲との比較による劣等感
ギターを始めた初心者が、自分よりも上手な友人や他のギタリストを見たときに、自信を失ってしまうことがあります。上達が早い人や、長年ギターを弾いている人と比較すると、自分の進捗が遅いと感じ「自分には向いていない」と思い込んでしまうのです。こうした比較がモチベーションの低下を引き起こし、最終的にギターを諦めてしまうことがあります。
これらの要因が重なり、ギターを始めた多くの人が途中で挫折してしまうことが多いのです。しかし、これらの理由を理解し、適切な対策を講じることで、挫折を防ぎ、ギターを長く楽しむことが可能です。
ギターは無理ゲーと言われる理由
「ギターは無理ゲー(無理なゲーム)」と言われることがよくあります。この表現が使われる背景には、ギターを学ぶ上での多くの難しさが影響しています。ギターは、特に初心者にとって複雑で手強い楽器と感じられるため、このような印象を持つ人が多いのです。
まず、両手の動きが異なるという点が大きな理由です。右手で弦を弾きながら、左手でフレットを押さえるという動作を同時に行う必要があります。この両手の協調動作は、普段の生活ではほとんど経験しないものであり、初めてギターに触れる人には非常に難しく感じられます。例えば、右手で正しいリズムを刻みながら、左手でスムーズにコードチェンジを行うのは、初心者にとっては大きなハードルです。
次に、指や手の力の使い方が難しいという点です。ギターの弦を押さえるには、適切な力加減と指の配置が必要ですが、初心者はこの調整が難しいことがよくあります。特にFコードのようなバレーコード(複数の弦を指1本で押さえる技法)は、初心者にとって最も大きな壁の一つです。力がうまく入らず、押さえたつもりでも音がきれいに鳴らないことが多く、これが「無理ゲー」と感じる原因の一つです。
さらに、楽器自体の習得に時間がかかることも理由の一つです。ギターは他の楽器に比べて、基本的なスキルを習得するまでに時間がかかります。たとえば、ピアノやドラムはキーを押したりスティックを叩くだけで音が出るのに対して、ギターは正確に弦を押さえなければ、クリアな音を出すことができません。この「音を出すこと自体が難しい」という初期段階での挫折感が、ギターを無理ゲーと感じさせる大きな要因です。
最後に、音楽理論や技術を同時に学ばなければならないという点も、初心者にとっては大きな壁です。ギターを弾くためには、コード進行やスケール、リズム感といった音楽理論もある程度理解しておく必要があります。こうした理論を学びながら、実際の演奏技術も向上させなければならないため、初心者が圧倒されやすいのです。
これらの理由から、ギターは「無理ゲー」と感じられることが多くなっているのです。しかし、これらの課題を一つ一つ乗り越えることで、ギターの楽しさを実感できるようになります。
騒音問題が挫折に与える影響
ギターを練習する上での騒音問題も、初心者が挫折する大きな要因の一つです。特にアパートやマンションなどの集合住宅に住んでいる場合、周囲に気を遣いながら練習を続けることは難しく、これがストレスとなりギターを諦めてしまうケースが多くあります。
まず、ギターの音量自体が原因になることが多いです。アコースティックギターは、弦を弾く力が強いとかなり大きな音が出るため、隣の部屋や階下の住人に音が響いてしまうことがあります。また、エレキギターの場合、アンプを通すことでさらに音が大きくなり、防音対策をしていないと、周囲に迷惑をかけてしまう恐れがあります。このような状況でギターを練習することは、近隣トラブルを引き起こす可能性があり、プレッシャーを感じて思うように練習できなくなるのです。
次に、時間帯の制約も大きな問題です。夜間や早朝の静かな時間帯にギターを弾くことは、ほとんどの集合住宅では避けるべきとされています。これにより、仕事や学校から帰宅した後、自由な時間にギターを練習できないと感じる人が多く、練習時間が制限されることでモチベーションが低下します。特に初心者は、毎日短い時間でもギターに触れることが上達の鍵となるため、時間帯の制約による練習不足は上達を遅らせ、挫折へと繋がりやすくなります。
また、対策を取るためのコストも挫折の一因です。防音対策を講じるためには、防音マットや防音ボックス、サイレントピックやミュート効果のあるアクセサリーを購入する必要があります。これらの対策には、ある程度の費用がかかるため、初心者にとっては負担になることが多いです。また、実際に防音対策をしても、完全に騒音を防げない場合もあり、再び周囲から苦情が来る可能性があると感じると、練習への意欲がさらに低下します。
騒音問題により、気兼ねなくギターを弾けない環境にいると、ギターを楽しむことが難しくなり、結果として挫折に繋がることが多いです。このような場合、エレキギターであればヘッドホンを使った練習、またはカラオケボックスや音楽スタジオを利用するなどの工夫が必要です。適切な対策を講じることで、騒音問題を克服し、挫折を防ぐことが可能になります。
ギター「9割挫折」の壁を破る方法
ギターを挫折せずに続けている人には、いくつか共通する特徴があります。目標が明確であったり、楽しみながら練習を進めることができる人は、モチベーションを保ちながら上達していく傾向があります。また、挫折を防ぐためには、小さな目標を設定したり、無理なく続けられる練習環境を整えることが重要です。ここでは、挫折しない人の特徴や、長く続けるための具体的な方法について紹介していきます。
ギターを挫折しない人の特徴
ギターを続けられる人には、いくつか共通した特徴があります。この特徴を理解することで、挫折を防ぎ、ギターを楽しみながら続けることができるでしょう。
目的意識が明確な人
ギターを始めた理由が明確で、例えば「好きなアーティストの曲を弾けるようになりたい」「ライブで演奏したい」という具体的な目標がある人は、その目標に向かって努力を続けやすいです。目的がはっきりしていると、上達が遅く感じる時期でも「この曲が弾けるようになるまで頑張ろう」とモチベーションを保つことができます。
自分のペースで練習できる人
周囲の上達具合と自分を比較するのではなく、自分自身の成長を見つめられる人は、短期間での進歩が見られなくてもコツコツと努力を続けられます。特に初心者の場合、すぐに結果が出ないことに焦りがちですが、挫折しない人は「ゆっくりでも確実に成長している」という視点を持っているため、続けることができるのです。
楽しみながら練習できる人
ギターが難しいと感じたとしても、音楽自体を楽しんでいたり、練習の過程を楽しむことができる人は挫折しにくいです。例えば、基礎練習だけでなく、簡単な好きな曲に挑戦したり、リズムゲームのように練習を工夫して取り組むことで、練習自体がストレスではなく、むしろ楽しみの一部になります。
仲間やサポートを得ている人
ギターを一人で練習することはもちろん可能ですが、ギター教室に通ったり、バンドを組んで他のメンバーと一緒に演奏したりすることでモチベーションが上がります。他人と一緒に進歩を感じたり、アドバイスを受けたりすることができるため、困難な時期にも一人で抱え込まずに進めていけるのです。
これらの特徴を持つ人は、ギターの上達に向けた長期的な視点を持っており、そのため途中で挫折せずに続けられるのです。
挫折しない方法とは?
ギターで挫折しないためには、いくつかの効果的な方法を取り入れることが重要です。これらの方法を実践することで、ギターを楽しく続けることができ、挫折を回避できるでしょう。
無理な目標を立てない
多くの初心者が高すぎる目標を設定してしまい、達成できずに挫折してしまいます。例えば「3カ月以内に難しい曲を弾けるようになりたい」といった無理な目標は、達成が難しいため、途中で自信を失う原因になります。最初は簡単なコードや短いフレーズを弾けるようになるなど、小さな目標を設定し、達成感を積み重ねていくことが挫折を防ぐ鍵となります。
定期的に練習時間を確保する
忙しい日常の中で練習時間を見つけるのは難しいかもしれませんが、短い時間でも毎日ギターに触れることが上達の秘訣です。例えば、1日にたった5分でもギターを弾くことで、少しずつ指が慣れ、スムーズに動かせるようになります。練習を習慣化することで、ギターが生活の一部となり、挫折しにくくなります。
サポートを活用する
独学でギターを学ぶと、行き詰まったときにどうすればいいか分からず、練習が嫌になってしまうことがあります。そうした時は、ギター教室やオンラインレッスンを利用して、プロから直接アドバイスをもらうことが非常に有効です。正しい練習方法を学び、課題に対する具体的な解決策を得ることで、モチベーションが回復し、挫折を防ぐことができます。
楽しみながら練習する工夫
基礎練習ばかりを繰り返すと、単調に感じてしまいモチベーションが下がります。好きな曲を選び、その曲の一部分だけでも弾けるようにすることは、練習の楽しみを感じるための良い方法です。簡単な曲や弾けそうなフレーズから始めて、少しずつできることを増やしていくことがモチベーションの維持に繋がります。
他人に演奏を披露する
他の人に自分の演奏を聴いてもらったり、SNSや動画投稿サイトに演奏動画をアップすることで、他者からの反応を得ることができます。ポジティブなフィードバックは、自信を高め、もっと上手くなりたいという意欲を持続させます。
これらの方法を組み合わせて実践することで、ギターの練習が楽しくなり、途中で挫折することなく続けられるようになります。
ギター初心者の9割が挫折する理由とは?克服するための具体的な対策まとめ
- フェンダー社の調査では毎年100万人がギターを始めるが9割の人が挫折している
- 指や手首の痛みが挫折の大きな要因となる
- 初心者は指が思うように動かず、コードチェンジが難しい
- 好きな曲がすぐに弾けないことが挫折につながる
- 弾き語りの難しさが初心者を悩ませる
- 上達の遅さで他人と比較し、劣等感を抱く人が多い
- ギターは両手の動きが異なり、初心者にとって難易度が高い
- Fコードのようなバレーコードが大きな壁となる
- 騒音問題が練習の制約となり、挫折を招く
- 練習時間が確保できず、モチベーションが低下する
- 独学で行き詰まり、成長を感じられない場合が多い
- 防音対策ができず、周囲への気遣いがストレスになる
- 挫折を防ぐためには目標を明確にすることが重要
- 小さな目標を設定し、達成感を積み重ねることが挫折防止の鍵