フォトジェニックギターの評判や中古市場での評価、そして初心者におすすめなのか気になって検索している方も多いのではないでしょうか。
ネット上では音が出ないといったトラブルやノイズの問題、さらにはネックが反りやすいといった噂も目にしますが、実際のところはどうなのか不安になりますよね。
今回はそんな疑問を持つ皆さんのために、改造のベースとしての評価も含めて詳しく解説していきます。
初心者が知るべきフォトジェニックギターの評判と実態

「安かろう悪かろう」というイメージが先行しがちなフォトジェニックですが、実際のところはどうなのでしょうか。ここでは、これからギターを始めようとしている初心者の皆さんが一番気になるポイントに絞って、そのリアルな評判と実態を深掘りしていきます。
フォトジェニックは初心者におすすめできるか
結論から言うと、フォトジェニックは「予算を極限まで抑えたい初心者」にとっては、十分に選択肢に入るギターだと思います。
正直なところ、数万円や数十万円するブランドのギターと比べれば、作りの粗さは否めません。
しかし、見た目(Photogenicという名前の通り!)は非常にきれいですし「とりあえずギターという楽器に触れてみたい」という初期衝動を満たすには十分な役割を果たしてくれます。
特に、リサイクルショップやネット通販で手軽に手に入る流通量の多さは魅力です。万が一、途中で挫折してしまっても、金銭的なダメージが少ないというのは、ある意味で初心者にとって大きなメリットと言えるかもしれませんね。
ここがポイント
- 見た目は価格以上にしっかりしている個体が多い。
- 「続くかわからないけれど始めてみたい」という層には最適。
- プロ並みの演奏性を求めるなら、調整が前提となることを覚えておきましょう。
昔は酷評?現在の品質と評価の変化
ネットで検索すると、2000年代初頭の「伝説的な悪評」を目にすることがあるかもしれません。「フレットが浮いている」「ネックがねじれている」といった怖い話ですね。私自身も昔の個体には驚かされた記憶があります。
しかし、近年の製造ロットに関しては、品質が明らかに向上していると感じます。「今のST-180(ストラトタイプ)は想像以上に良い」という声も多く聞かれますし、工作精度も安定してきている印象です。
かつてのような「演奏不能なギター」に当たる確率はかなり減っています。「ベニヤ板ボディ」なんて都市伝説もありましたが、最近のものはしっかりとした単板(ソリッドウッド)が使われていることが多いので、過度な心配は不要かなと思います。
意外と良い?音やノイズの評価を検証
「安いギターは音がペラペラでノイズが酷い」と思っていませんか?実はフォトジェニック、ここが面白いところなんです。
意外なことに、搭載されているピックアップ(マイク部分)の出力が結構高いんです。あるユーザーからは「G&Lのアクティブベースよりも音がデカい」なんて報告もあるくらい。
これは初心者にとって、アンプに繋いだ時に「ジャーン!」と歪んだロックな音が出しやすいというメリットになります。
ノイズやガリについての注意点
確かに「ガリ(ノブを回すと出る雑音)」や「ノイズ」の報告は多いです。ただ、これは部品の接触不良や汚れが原因のことが多く、接点復活剤をシュッとひと吹きするだけで直ることがほとんど。
「壊れている」と勘違いされがちですが、実は簡単なメンテナンスで解決できるレベルのトラブルが多いんですよ。
ネックが太いという噂と弾きやすさ
演奏性に直結する「ネック」についてですが、フォトジェニックのネックは意外としっかりとした厚みがあります。
例えばベースモデルの実測値でナット幅が約40.8mmというデータがあります。これは、フェンダーのジャズベース(約38mm)より太く、プレシジョンベース(約42mm)よりは細いという絶妙なサイズ感。一部では「ヒョロヒョロのネックではなく、意外と剛性がある」と評価されています。
手が小さい方や女性には最初は少し太く感じるかもしれませんが、この厚みがネックの反りを防ぐ「強度」に繋がっているとも考えられます。「すぐに反って弾けなくなる」というリスクに対しては、むしろプラスの要素と言えるかもしれませんね。
買ってすぐやるべき調整とメンテナンス
ここが一番重要なのですが、フォトジェニックを「使えるギター」にするためには、購入直後の調整がほぼ必須だと思ってください。
特によくあるのが「ナットの溝が高すぎる」という状態です。これだと、Fコードなどのローコードを押さえるのがめちゃくちゃ大変になります。「指が痛くて弾けない!」となってしまう原因の多くはこれです。
逆に言えば、楽器店でナットの溝を調整してもらうか、弦高をサドルで下げるだけで、劇的に弾きやすくなります。「90点の素材を60点の状態で売っている」と考えれば、少しの手間で自分好みに育てる楽しみがあるとも言えますね。
最低限チェックしたい調整項目
| ナットの高さ | ローコードの押さえやすさに直結します。高すぎる場合は削る必要があります。 |
|---|---|
| 弦高調整 | ブリッジのサドルを調整して、弾きやすい高さに合わせましょう。 |
| オクターブ調整 | ハイポジションでの音程のズレを補正します。ドライバー1本で可能です。 |
改造マニアが語るフォトジェニックギターの評判と魅力

さて、ここからは少しディープな世界へ。実はフォトジェニック、初心者だけでなく、ギターを分解・改造して楽しむ「改造マニア(Modder)」から熱烈な支持を受けているんです。なぜ彼らはあえてこの安ギターを選ぶのか、その理由を解説します。
改造ベースとして最高な理由と互換性
フォトジェニックが「改造の王様」と呼ばれる最大の理由は、その規格の標準性にあります。
特にST-180などのストラトタイプは、本家フェンダーの規格(スケール約648mm、シンクロナイズドトレモロなど)にかなり忠実に作られています。これが何を意味するかというと、世の中に無数にある「交換用パーツ」がポン付けできる可能性が高いということなんです。
独自規格の安ギターだとパーツ交換のために木材を削る必要がありますが、フォトジェニックなら比較的スムーズに交換可能です。「安く買って、高級パーツで武装する」という大人の遊びにはもってこいの素材なんですね。
ジャンク品や中古市場での価値と選び方
リサイクルショップの「ジャンクコーナー」で、数千円(時には数百円!)で売られているフォトジェニックを見たことはありませんか?実はあれ、マニアにとっては宝の山なんです。
「音が出ません」と書かれていても、配線が切れているだけのことが多く、ハンダ付けができれば一瞬で直せます。中古市場では「トラスロッドが固い」といった記述も見られますが、それでも「まだ調整可能」な個体が多く流通しています。
海外のバイヤーからも「日本のフォトジェニックは保管状態が良い」と高評価を受けているほど。傷があっても、それもまた「味」として楽しめるなら、これほどコスパの良い買い物はありません。
ペグ交換などおすすめのカスタマイズ
もしフォトジェニックを手に入れたら、最初に交換をおすすめしたいのが「ペグ(糸巻き)」です。
正直、純正のペグはチューニングの安定性に欠けることがあります。ここをゴトー(GOTOH)製などのしっかりしたペグに交換するだけで、チューニングのストレスが激減し、楽器としてのランクが一気に上がります。
また、電装系(ポットやジャック)を信頼性の高いCTSやSwitchcraftに交換するのも定番です。数百円のパーツ交換で、ガリやノイズのトラブルから解放され、音の鮮度も上がりますよ。
おすすめの改造ステップ
- 弦交換&クリーニング: まずはここから。指板を保湿するだけでも弾き心地が変わります。
- ペグ交換: チューニングを安定させます。
- 電装系交換: ジャックとポットを変えて信頼性アップ。
- ピックアップ交換: 好みの音色に近づける最終手段。
ベニヤ板説を否定するボディ材の正体
「フォトジェニックは中身がベニヤ板(合板)だ」という噂、聞いたことありませんか?私も気になって調べてみたのですが、どうやら最近のモデルは違うようです。
スペック表や分解レビューを見ると、多くのモデルで「Solid Wood(単板)」が使用されています。実測で3.3kg前後と非常に軽量な個体が多いことから、おそらく「桐(Paulownia)」や「ソフトメイプル」に近い、アジア原産の軽量な木材が使われていると推測されます。
この軽さは、長時間立って練習しても疲れにくいという大きなメリットになります。また、ベースモデルのネックポケット部分の肉厚さが40mm以上あったりと、強度に関しても「ベニヤ板時代」とは別物と考えて良さそうです。
結論:フォトジェニックギターの評判を再評価する
ここまで見てきて感じるのは、フォトジェニックは「そのままでは60点だけど、手を加えることで90点以上に化けるポテンシャルを持ったギター」だということです。
初心者にとっては、最初に手にするハードルを下げてくれるありがたい存在。そして、ギターの構造やメンテナンスを学ぶための「最高の教材」でもあります。もしリサイクルショップで見かけたら、「ゴミ」だなんて思わずに、「自分色に染められるキャンバス」だと思って手に取ってみてください。
調整して弾きやすくなったフォトジェニックは、きっと愛着の湧く最高の一本になりますよ!
※本記事の情報は執筆時点の一般的な傾向に基づくものです。製品の仕様は製造時期により異なる場合があります。正確な情報は公式サイトや販売店でご確認ください。また、改造は自己責任で行ってください。

