エレキギターの中でも個性的なルックスとサウンドを持つムスタング。フェンダーが1964年に発表したギターで、ショートスケールのネックや独自のスイッチ構造が特徴です。扱いやすさから初心者にも適しており、スクワイヤーなどから手頃なおすすめモデルも販売されています。
一方で、チューニングの安定性や特殊なスイッチ操作に慣れが必要な点はデメリットとして挙げられます。 また、ムスタングはかっこいいオフセットボディのデザインも魅力で、アニメ『けいおん!』であずにゃんが使用したことで、日本でも人気が高まりました。
本記事では、ムスタングの特徴や魅力、メリット・デメリット、使用アーティスト、初心者におすすめモデルまで詳しく紹介します。ムスタングの魅力を知り、自分に合った一本を見つける参考にしてください。
ムスタングギターの特徴と魅力を徹底解説
- ムスタングとは?
- ムスタングの主な特徴
- ムスタングのデメリット
- 初心者におすすめ?
- ムスタングのスイッチ構造と音の特徴
ムスタングとは?
ムスタングは、フェンダー社が1964年に発表したエレクトリックギターの一種です。もともとは初心者や学生向けに設計されたモデルでしたが、その独特なデザインや演奏性が評価され、多くのギタリストに愛されるギターとなりました。
ムスタングの最大の特徴は、ショートスケール(通常のギターよりも短いネック)を採用している点です。これにより、手の小さなプレイヤーでも扱いやすく、軽快な演奏が可能になります。また、ボディにはオフセットデザインが採用されており、立って演奏するときも座って演奏するときもバランスが取りやすい構造になっています。
歴史を振り返ると、ムスタングは当初、フェンダーのエントリーモデルとして発売されましたが、1970年代以降、オルタナティブロックやパンクロックのギタリストたちに支持されるようになりました。特に、1990年代のグランジムーブメントでは、ニルヴァーナのカート・コバーンが愛用したことにより、再び注目を集めました。その後、ムスタングは独特なサウンドと個性的なデザインを持つギターとして、多くのアーティストに採用されるようになりました。
現在では、フェンダー本家のモデルに加えて、低価格帯の「スクワイヤー」ブランドからもムスタングが販売されており、幅広い層のギタリストが手に取りやすいギターとなっています。
ムスタングの主な特徴
ムスタングはフェンダーが1964年に発表したエレキギターで、その独自の構造や演奏性の高さから、多くのギタリストに愛され続けています。ショートスケールのネックや特徴的なスイッチ構造、ビンテージ感のあるデザインなど、ムスタングならではの個性が詰まっています。ここでは、ムスタングの主な特徴を詳しく解説します。
① ショートスケールで弾きやすい
ムスタングの最大の特徴の一つが、ショートスケール(24インチ)であることです。一般的なストラトキャスターやテレキャスターのスケール長(25.5インチ)に比べて短いため、弦のテンションが緩く、押さえやすいという利点があります。
特に、手の小さい人や初心者にとって扱いやすく、コードを押さえる際の負担が少ないのが魅力です。通常のロングスケールのギターでは指が届きにくいフレーズも、ムスタングならスムーズに演奏しやすくなります。
② 独自のピックアップセレクターと多彩なサウンド
ムスタングのもう一つの大きな特徴は、ユニークなピックアップセレクターです。通常のギターでは1つのスイッチでピックアップを切り替えますが、ムスタングは2つのスライドスイッチを搭載しています。
このスイッチにより、フロント・リアのピックアップを個別にオン・オフできるだけでなく、位相を逆にする(フェイズアウト)ことも可能です。フェイズアウトにすると、独特のシャリシャリとしたトーンが生まれ、通常のシングルコイルサウンドとは異なる音色を作ることができます。
また、ピックアップ自体もシングルコイルが搭載されており、クリーンなカッティングや、歯切れの良いロックサウンドに適しているのが特徴です。
③ ムスタング特有のトレモロユニット
ムスタングには、独自のダイナミック・ヴィブラート・ブリッジが搭載されています。このトレモロユニットはストラトキャスターのシンクロナイズド・トレモロとは異なり、柔らかく、独特の揺れ感を持つビブラート効果を生み出すことができます。
このトレモロの特性上、過度なアーミングには向いていませんが、ゆるやかに音程を揺らしたいときや、ジャズマスターのような浮遊感のあるトーンを作りたいときに最適です。オルタナティブ・ロックやシューゲイザー系の音楽でもよく使われています。
④ コンパクトなボディと個性的なデザイン
ムスタングは、フェンダーのギターの中でもコンパクトなオフセットボディを採用しています。通常のストラトキャスターやテレキャスターに比べ、小ぶりで軽量なため、長時間の演奏でも疲れにくい のがメリットです。
また、ボディの形状はジャズマスターやジャガーと同じくオフセット(左右非対称のデザイン)になっており、立って弾く際にもフィット感があります。見た目の面でも、ムスタング特有の丸みを帯びたシルエットやカラーバリエーションの豊富さが、多くのギタリストを惹きつけています。
⑤ ムスタングならではの軽快なサウンド
ムスタングは中音域が強調されたシャープなサウンドを持っています。シングルコイルピックアップの特性に加え、ショートスケールの影響でやや丸みを帯びた音になるのが特徴です。
特にクリーントーンでは、軽快でキレのある音色が得られ、カッティングやリズムプレイに適しています。また、歪ませた際には、ジャキジャキとした独特の質感が生まれ、オルタナティブ・ロックやガレージロックといったジャンルで愛用されることが多いです。
まとめ
ムスタングの特徴をまとめると、以下のようになります。
- ショートスケールで弾きやすく、初心者や手の小さい人に向いている
- 独自のピックアップセレクターで多彩なサウンドを生み出せる
- オリジナルのトレモロユニットにより、柔らかいビブラート効果が可能
- 軽量かつコンパクトなボディで扱いやすい
- 中音域が強調されたシャープなサウンドが特徴
これらの特性から、ムスタングは単なる初心者向けのギターにとどまらず、独自のサウンドとデザインを求めるアーティストにも人気のあるモデル となっています。ムスタングならではの魅力を理解し、自分に合った使い方を見つけてみてください。
ムスタングのデメリット
ムスタングは独特な構造を持つため、他のギターと比べていくつかのデメリットも存在します。ここでは、ムスタングを選ぶ際に考慮すべき点を解説します。
① 独特なスケール感に慣れが必要
ムスタングのネックはショートスケール(弦長24インチ)であるため、通常のギターよりも弦のテンション(張力)が弱めです。これにより、チョーキングがしやすく押さえやすい反面、力加減を誤るとピッチが不安定になりやすいというデメリットがあります。
特に、ストラトキャスターやテレキャスターのロングスケール(25.5インチ)に慣れているギタリストが持ち替えた場合、最初は違和感を感じることがあるかもしれません。
② ハムノイズが発生しやすい
ムスタングは基本的にシングルコイルピックアップを搭載しているため、ハムノイズ(電気的な雑音)が発生しやすい傾向があります。特に、強く歪ませるプレイスタイルの場合、ノイズが目立つことがあるため、演奏環境によってはノイズ対策が必要になることもあります。
ただし、ピックアップの逆位相スイッチを利用することで、ある程度ノイズを抑えることも可能です。また、最近のモデルではノイズ対策が施されたピックアップを搭載したものもあり、従来よりも扱いやすくなっています。
③トレモロの安定性が低い
ムスタングのトレモロシステムは独特のダイナミック・ヴィブラートを採用していますが、激しいアーミングをするとチューニングが狂いやすいというデメリットがあります。
特に、ストラトキャスターのようなロック式トレモロとは異なり、ブリッジの可動範囲が広く、弦の張力に影響を受けやすいため、頻繁にアームを使うプレイヤーには不向きかもしれません。
ただし、適切なメンテナンスや、弦の巻き方・ナットの調整を行うことで、ある程度安定させることは可能です。
④ サウンドが万人向けではない
ムスタングのサウンドは独特で、ミッドレンジが強調されたクセのあるトーンを持っています。このため、ジャキッとした音が好きな人には向いているものの、ストラトキャスターやレスポールのような太く丸みのある音を求める人には合わない可能性があります。
特に、クリーンサウンドではやや軽めの音になる傾向があるため、ジャズやクラシックロックなどのジャンルでは、他のギターと比べると物足りなさを感じることがあるかもしれません。
まとめ
ムスタングは、コンパクトなサイズや多彩なサウンド、個性的なデザインといったメリットがある一方で、ピッチの不安定さやノイズの多さ、トレモロの安定性の低さといったデメリットも持ち合わせています。
そのため、ムスタングを選ぶ際は自分のプレイスタイルに合っているかどうかをしっかり検討することが大切です。特に、オルタナティブロックやグランジ、インディーロックなどのジャンルをプレイする人には最適ですが、より安定したサウンドや汎用性を求める場合は、他のギターと比較しながら選ぶのが良いでしょう。
初心者におすすめ?
ムスタングは、その特徴的な仕様から初心者に向いているギターの一つといえますが、注意すべきポイントもあります。まず、初心者にとって扱いやすい点として、ムスタングの「ショートスケールネック」が挙げられます。一般的なエレキギターよりもネックが短いため、フレット間の距離が狭く、指が届きやすい設計になっています。特に、手が小さい人や力の弱い人にとっては、押さえやすく、コードチェンジもしやすいというメリットがあります。
また、ムスタングはボディが比較的軽量なため、長時間の練習でも疲れにくい点も初心者向きといえます。重いギターは初心者にとって負担になりやすいですが、ムスタングのオフセットボディデザインは体にフィットしやすく、快適な演奏が可能です。
しかし、一方で注意すべき点もあります。ムスタングは一般的なストラトキャスターやレスポールとは異なり、独特のスイッチングシステムを採用しているため、慣れるまでに少し時間がかかることがあります。ピックアップの切り替えや位相の反転(フェイズスイッチ)など、通常のギターとは違う仕様のため、初心者が直感的に扱うには少し難しく感じるかもしれません。
また、ムスタングに搭載されている「ダイナミック・ビブラート」というトレモロユニットは、扱いにコツが必要です。上手に調整すれば独特のビブラート効果を得ることができますが、チューニングが狂いやすいというデメリットもあります。初心者のうちは頻繁にチューニングをする必要があり、その点を負担に感じる人もいるかもしれません。
このように、ムスタングは初心者にとって扱いやすい部分もありますが、独特なスイッチ構造やチューニングの問題など、少し慣れが必要な点もあります。もし初心者がムスタングを選ぶ場合は、基本的なギターの仕組みを理解しながら、しっかりと扱い方を学ぶことが大切です。
ムスタングのスイッチ構造と音の特徴
ムスタングの最大の個性の一つに、独特なスイッチ構造があります。一般的なギターでは、ピックアップセレクターを使用してネック側・ブリッジ側・両方のピックアップを切り替えますが、ムスタングではそれぞれのピックアップごとに独立したスイッチが搭載されています。
ムスタングのスイッチは「3ポジション式」で、各ピックアップにオン・オフ・位相反転の3つのモードが設定できます。このスイッチの組み合わせによって、通常のシングルコイルギターとは異なる独特なトーンを作り出すことが可能です。特に、位相反転モードを活用すると、通常のサウンドとは違った、ややこもった独特の音色になります。これはファズ系のエフェクターと組み合わせることで、よりユニークな音作りを楽しむことができます。
また、ムスタングはシングルコイルピックアップを搭載しており、一般的なフェンダーのストラトキャスターやテレキャスターと同様に、クリアで歯切れの良いサウンドが特徴です。ただし、ピックアップの種類や位置の影響で、ストラトキャスターのような煌びやかさとは異なる、ややミッドが強調されたサウンドになっています。そのため、温かみのあるクリーントーンや、ザラついたオーバードライブサウンドを作るのに向いています。
さらに、ムスタングには「ダイナミック・ビブラート」という独自のトレモロユニットが搭載されています。このトレモロは、ストラトキャスターのような大きな可動域を持つフローティングトレモロとは異なり、柔らかく自然なビブラート効果を得られるのが特徴です。しかし、構造上チューニングの安定性がやや低く、激しいアーミングを多用するとピッチがずれやすい点には注意が必要です。
このように、ムスタングは独特なスイッチ構造とトレモロユニットを持ち、通常のシングルコイルギターとは違ったサウンドメイクが可能です。その個性的な音色と操作性が、多くのギタリストに愛される理由の一つとなっています。
ムスタングギターの特徴とおすすめモデル
- かっこいいデザインの魅力
- ムスタングを使用するアーティスト
- アニメ『けいおん!』あずにゃんとムスタング
- 初心者におすすめのムスタングモデル
かっこいいデザインの魅力
ムスタングの魅力の一つとして、他のギターにはないユニークでかっこいいデザインが挙げられます。特に、そのオフセットボディの形状は、フェンダーの代表的なギターであるストラトキャスターやテレキャスターとは異なり、個性的で洗練されたルックスを持っています。
オフセットボディとは、ボディの左右非対称なデザインのことで、ムスタングのボディは斜めに傾いたような独特な形状になっています。このデザインは見た目の美しさだけでなく、プレイヤーが座って弾くときのフィット感や、立って演奏するときのバランスの良さも兼ね備えています。特に、ムスタングのボディはコンパクトで軽量なため、ライブパフォーマンスの際にも取り回しがしやすいという利点があります。
また、ムスタングのピックガードデザインも特徴的です。通常のギターのピックガードは比較的シンプルなものが多いですが、ムスタングは大きく複雑な形状をしており、見た目のインパクトを与える要素の一つになっています。カラーバリエーションも豊富で、クラシックなサンバーストやヴィンテージホワイトのほか、ブルーやレッドなど、個性的なカラーもラインナップされています。そのため、シンプルなデザインのギターでは物足りないという人にもおすすめです。
さらに、ムスタングの「ショートスケールネック」は、ルックスの面でも独自の雰囲気を持っています。通常のギターよりもネックが短いため、全体的にコンパクトなシルエットになり、独特の可愛らしさとクールさが共存するデザインになっています。このバランスが、多くのギタリストにとって「ムスタングならではの魅力」として評価されています。
このように、ムスタングはそのユニークなオフセットボディデザイン、特徴的なピックガード、豊富なカラーバリエーションによって、個性的でかっこいい見た目を持つギターです。他のギターにはない独自のルックスを求める人にとって、ムスタングは魅力的な選択肢といえるでしょう。
ムスタングを使用するアーティスト
ムスタングは、その独特なデザインと軽快なサウンドによって、さまざまなジャンルのギタリストに愛用されてきました。特に、オルタナティブ・ロックやパンク、ガレージロックのシーンでよく見られ、個性的な音作りを求めるアーティストに支持されています。ここでは、ムスタングを使用する代表的なギタリストを紹介します。
① カート・コバーン(Nirvana)
ムスタングと聞いて最も有名なアーティストの一人が、Nirvanaのカート・コバーン です。彼は1990年代のグランジ・ムーブメントを牽引した存在であり、そのラフで荒々しい演奏スタイルとムスタングの音色が絶妙にマッチしていました。
特に、フェンダーがカート・コバーンのために特別に製作した「Kurt Cobain Mustang」は有名で、ハムバッカーを搭載し、よりパワフルなサウンドが得られる仕様になっています。代表曲『Smells Like Teen Spirit』のミュージックビデオでも、彼がムスタングを演奏している姿を確認できます。
② ジョン・フルシアンテ(Red Hot Chili Peppers)
John Frusciante; Rickenbaker, Fender Mustang Red Fiesta (1969), Fender Jaguar white (1966) pic.twitter.com/RBmJk61LqW
— M A U R O (@SumodeZappa) August 11, 2014
Red Hot Chili Peppersのジョン・フルシアンテ も、ムスタングを使用していたギタリストの一人です。彼はストラトキャスターやテレキャスターをメインにしていましたが、一部のライブやレコーディングでは、ムスタングを使って特徴的なカッティングプレイを披露しています。
ムスタングの軽やかでシャープなサウンドは、ファンク・ロックやオルタナティブ・ロックのプレイスタイルと相性が良く、フルシアンテの音楽にもその影響が表れています。
③ サーストン・ムーア(Thurston Moore)
サーストン・ムーア(Thurston Moore)は、オルタナティブ・ロックバンド「ソニック・ユース(Sonic Youth)」のギタリストであり、ムスタングを愛用するアーティストの一人です。彼のプレイスタイルは、従来のギター演奏の概念を覆すような実験的なアプローチが特徴で、ムスタングのユニークな構造がその表現を支えています。
④ Char
日本のロックギター界を代表するギタリストの一人であるChar(チャー)は、長年にわたってムスタングを愛用してきたアーティストの一人です。彼の卓越したテクニックと独特なグルーヴ感は、ムスタングの持つ軽快でシャープな音色と相性が良く、多くのギターファンに影響を与えています。
⑤ Hyde(L’Arc〜en〜Ciel)
日本のロックバンド「L’Arc〜en〜Ciel」のボーカリストであり、ギタリストとしても活躍するHydeは、フェンダー・ムスタングを愛用するアーティストの一人です。特に、ソロ活動や「VAMPS」でのパフォーマンスでは、ムスタングを持って演奏する姿が度々見られます。
アニメ『けいおん!』あずにゃんとムスタング
アニメ『けいおん!』に登場するキャラクター、あずにゃん(中野梓)が使用しているギターとして、ムスタングは広く知られています。彼女が愛用しているのは「フェンダー ムスタング(Fiesta Red)」で、このアニメの影響により、ムスタングの人気が一気に高まりました。
『けいおん!』は、軽音楽部に所属する女子高生たちがバンド活動を通じて成長していくストーリーで、劇中では様々なギターや楽器が登場します。その中で、あずにゃんが選んだのがムスタングであり、彼女のキャラクターとギターの特性が見事にマッチしている点が、多くのファンに印象を与えました。
ムスタングはショートスケールで弾きやすく、小柄なあずにゃんの体格にも合ったギターです。また、彼女の演奏スタイルは正統派のギタリスト寄りで、カッティングやアルペジオなどのプレイに適したムスタングのサウンドが劇中でも際立っています。さらに、赤いボディと白いピックガードのコントラストが、彼女の制服姿やキャラクターのイメージと相性抜群で、デザイン面でも強い印象を与えています。
このアニメの影響で、実際にムスタングを手にする人が増え「けいおん!モデル」として認知されるようになりました。フェンダーからは、あずにゃんの使用するムスタングを再現した「フェンダー・ムスタング(けいおん!仕様)」も限定販売されるなど、その人気の高さがうかがえます。
特に、アニメやキャラクターの影響でギターを始める人にとって、あずにゃんとムスタングの組み合わせは一つの象徴的な存在です。ムスタングは軽量で弾きやすく、見た目も可愛らしく、さらに『けいおん!』の世界観とリンクするため、アニメファンにとっても魅力的なギターといえるでしょう。
初心者におすすめのムスタングモデル
ムスタングはコンパクトなボディと短いスケール長(ショートスケール)が特徴で、手の小さい人や初心者でも扱いやすいギターです。しかし、さまざまなグレードやブランドのモデルが存在するため、どのムスタングを選ぶべきか迷ってしまうことも少なくありません。ここでは、初心者におすすめのムスタングモデルを紹介します。
① スクワイヤー Bullet Mustang HH
スクワイヤー(Squier)はフェンダーの廉価ブランドで、初心者向けのモデルを多く展開しています。その中でも 「Bullet Mustang HH」 は、手頃な価格と扱いやすさから人気の高いモデルです。
- 価格帯:3万円前後
- 特徴:
- ハムバッカーピックアップを搭載し、歪みの効いた力強いサウンドが得られる
- ショートスケールで弦のテンションが柔らかく、押さえやすい
- 軽量なポプラボディで長時間の演奏でも負担が少ない
初心者の中でも、ロックやパンクなど歪んだ音をメインに使いたい人に最適です。シングルコイル特有のジャキジャキした音よりも、パワフルな音を求めるならこのモデルがぴったりでしょう。
② スクワイヤー Classic Vibe ’60s Mustang
もう少し本格的なムスタングを求めるなら、同じスクワイヤーの 「Classic Vibe ’60s Mustang」 がおすすめです。このモデルは、ビンテージスタイルのサウンドとデザインを備えており、価格と品質のバランスが良い点が魅力です。
- 価格帯:5万円前後
- 特徴:
- シングルコイルピックアップを搭載し、ムスタング特有のシャープなサウンドが楽しめる
- ヴィンテージライクなルックスで所有感を満たせる
- クラシックなトレモロシステムが搭載され、独特のビブラート効果を出せる
ムスタング本来のサウンドを体験しつつ、コストを抑えたい初心者に最適です。スクワイヤーの中ではやや高価ですが、長く使える一本になるでしょう。
③ フェンダー Player Mustang
フェンダーの正規ラインナップの中で、比較的手に取りやすいのが 「Player Mustang」 です。価格は10万円前後とスクワイヤーより高めですが、その分作りの精度や音質の良さが際立っています。
- 価格帯:10万円前後
- 特徴:
- フェンダーブランドならではの高品質な作り
- シングルコイルピックアップ搭載で、多彩な音作りが可能
- モダン仕様で演奏性が向上しており、初心者でも弾きやすい
予算に余裕があり、「最初から本格的なムスタングを使いたい」という初心者には、このモデルがぴったりです。フェンダーならではのサウンドや作りの良さを体感できるため、長く愛用できるギターになります。
初心者がムスタングを選ぶ際のポイント
初心者がムスタングを選ぶときは、次のポイントを意識すると失敗しにくくなります。
-
予算を決める
- 3万円以内ならスクワイヤー Bullet Mustang HH
- 5万円程度ならスクワイヤー Classic Vibe ’60s Mustang
- 10万円程度ならフェンダー Player Mustang
-
演奏スタイルに合わせる
- ロックやパンクならハムバッカーモデル(Bullet Mustang HH)
- クリーンでシャープな音が欲しいならシングルコイル(Classic Vibe ’60sやPlayer Mustang)
-
見た目の好みも大切にする
- ムスタングは個性的なデザインなので、気に入ったカラーや仕様を選ぶとモチベーションが上がる
初心者にとって、最初の一本はギターを続ける上で非常に重要です。扱いやすさとサウンドの好みを考慮しながら、自分に合ったムスタングを選んでみてください。
ムスタングギターの特徴と魅力の総まとめ
- フェンダーが1964年に発表したオフセットボディのエレキギター
- ショートスケール仕様で弾きやすく、手の小さいプレイヤーに適している
- 独自のピックアップセレクターで多彩なサウンドが得られる
- ダイナミック・ヴィブラート・ブリッジを搭載し、独特のビブラートが可能
- 軽量でコンパクトなボディのため、取り回しがしやすい
- 歯切れの良いシングルコイルサウンドが特徴
- 位相反転スイッチを活用するとシャープなトーンが得られる
- グランジやオルタナティブロックのアーティストに愛用されている
- 価格帯が広く、スクワイヤーの廉価版も手に入れやすい
- ショートスケール特有のテンション感に慣れが必要
- シングルコイル特有のハムノイズが発生しやすい
- トレモロのチューニング安定性が低いため、適切な調整が必要
- かっこいいデザインと豊富なカラーバリエーションが魅力
- 『けいおん!』のあずにゃんモデルなど、ポップカルチャーでも人気
- 初心者向けモデルから上級者向けモデルまで幅広く展開されている