アコースティックギターの名門ブランドとして知られるマーチンギターですが、その品質の高さや歴史的な価値が評価される一方で「マーチンギターの欠点」が気になる方も多いのではないでしょうか。価格がなぜ高いのか、壊れやすいという噂は本当なのか、さらには当たり外れがあるのではないかと不安に思う人もいるかもしれません。
また、マーチンギターにはさまざまな種類があり、初心者からプロまで幅広い層に向けたモデルが存在します。そのため、自分に合ったおすすめのモデルを選ぶには、それぞれの特徴を理解することが大切です。
人気ブランドゆえに偽物も多く出回っており、正規品と偽物の見分け方を知っておくことも重要です。本記事では、マーチンギターの欠点やデメリットについて詳しく解説し、購入前に知っておくべきポイントを紹介します。
マーチンギターの欠点とは?なぜ高い?
- マーチンギターとは?
- マーチンギターの欠点
- マーチンギターはなぜ高い?
- マーチンギターは壊れやすい?
- 最近の品質はどう変わった?
- 当たり外れはあるのか?
マーチンギターとは?
マーチンギター(Martin Guitar)は、1833年にドイツ出身のクリスチャン・フレデリック・マーチン(C.F. Martin)がアメリカで創業したブランドで、現在に至るまで多くのアーティストやギタリストに愛され続けています。その長い歴史の中で、マーチンはアコースティックギターの基礎を築き、多くの革新的な技術を生み出してきました。
マーチンギターの最大の特徴は、高品質な木材と職人技による伝統的な製造技術 です。ローズウッドやマホガニーなどの厳選された木材を使用し、ギターのサウンドに深みと温かみを与えています。また、ナチュラルな音の響きを最大限に引き出すために、ボディの内部構造にも独自の工夫が施されています。
さらに、マーチンは ドレッドノート(Dreadnought)ボディ の生みの親としても有名です。ドレッドノートは一般的なアコースティックギターよりも大きめのボディを持ち、豊かな低音とパワフルなサウンドが特徴。この設計は現在のアコースティックギターのスタンダードの一つとして広く採用されています。
20世紀には、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、ジョニー・キャッシュなどの伝説的なミュージシャンがマーチンギターを使用し、そのサウンドは数多くの名曲に刻まれました。現在でも、トップアーティストからアマチュアミュージシャンまで幅広く愛用されており、マーチンギターはアコースティックギターの代名詞とも言える存在です。
マーチンギターの欠点
マーチンギターは高品質なアコースティックギターとして広く知られていますが、いくつかの欠点も存在します。これらのデメリットを理解した上で、自分に合ったギター選びをすることが大切です。
価格が高い
マーチンギターの価格は決して安くありません。エントリーモデルであっても数十万円するものが多く、プロ仕様のモデルはさらに高額です。これは、長年の伝統技術や高品質な木材を使用していることが影響しています。そのため、初心者が手軽に購入するにはハードルが高いギターと言えるでしょう。
壊れやすい繊細な構造
マーチンギターは、響きの良さを追求するために薄い木材を使用しています。これにより豊かな音が得られる一方で、衝撃や湿度の影響を受けやすく、適切な保管やメンテナンスが必要になります。特に、乾燥した環境では木が割れるリスクもあるため、湿度管理を怠らないことが重要です。
最近のマーチンギターの品質にばらつきがある
近年、一部のユーザーから「昔のマーチンギターと比べて品質が落ちた」という声が上がっています。特に、大量生産モデルでは個体差が大きく、当たり外れがあるとも言われています。従来のマーチンギターに比べて、細部の仕上げや音のバランスに違いが感じられることもあるため、購入前にはしっかりと試奏することをおすすめします。
偽物が出回っている
人気ブランドであるがゆえに、マーチンギターの偽物も多く市場に出回っています。特に、インターネットでの購入時には注意が必要です。本物と偽物の見分け方としては、ロゴのデザインやシリアルナンバーの確認、製造国の違いなどをチェックすることが挙げられます。確実に本物を手に入れるためには、信頼できる販売店での購入が安心です。
メンテナンスが必要不可欠
マーチンギターは良質な木材を使用しているため、長く愛用するには定期的なメンテナンスが欠かせません。弦の交換や指板のクリーニングはもちろんのこと、ネックの反りやボディの乾燥にも注意する必要があります。適切なケアを怠ると、音質の劣化や寿命の短縮につながるため、メンテナンスの手間を考慮しておくことが大切です。
このように、マーチンギターには優れた点が多い一方で、注意すべき点も存在します。購入を検討している方は、これらの欠点も踏まえた上で、自分の演奏スタイルや環境に合ったギターを選ぶことが重要です。
マーチンギターはなぜ高い?
マーチンギターが高額である理由はいくつかあります。単にブランド力によるものではなく、使用される木材の品質や製造工程、長年培われた技術が価格に反映されています。
まず、マーチンギターは厳選された木材を使用して作られています。特に、高級モデルにはシトカスプルースやアディロンダックスプルース、ローズウッドといった希少な木材が使われることが多く、これらの木材は音の響きや耐久性に優れています。しかし、これらの木材は入手が困難であり、持続可能な調達の観点からも価格が高騰しています。さらに、木材の乾燥・加工には長い時間と熟練の技が必要であり、それがコストに大きく影響します。
次に、製造工程の違いが価格の大きな要因となります。マーチンギターは伝統的な手作業による工程を重視しており、大量生産ではなく、熟練の職人が一本一本丁寧に作り上げます。これにより品質は安定しますが、製造コストは上昇します。また、マーチンの高級モデルでは「スキャロップドブレーシング」という特殊な内部構造が採用されており、これにより豊かな響きを生み出す一方で、製作には高度な技術が必要となります。
さらに、マーチンギターの価格には「伝統」と「ブランドの信頼性」が含まれています。1833年に設立されたマーチン社は、アコースティックギターの歴史において非常に重要な役割を果たしてきました。そのため、プロのミュージシャンやコレクターにとっては単なる楽器以上の価値があり、それが価格に反映されています。また、マーチンのギターは耐久性にも優れており、適切にメンテナンスすれば何十年も良い音を維持できます。これにより、中古市場でも価値が落ちにくいという特徴があります。
このように、マーチンギターの価格が高い理由は、厳選された素材、手作業による製造、高度な技術、そして長年のブランドの信頼性によるものです。価格が高いため、購入には慎重になるかもしれませんが、一生モノのギターとして長く使い続けられることを考えれば、決して高すぎるとは言えないでしょう。
マーチンギターは壊れやすい?
マーチンギターは高品質なギターとして知られていますが、その一方で「壊れやすいのでは?」と心配する声もあります。実際のところ、マーチンギターは耐久性が低いというわけではなく、適切なメンテナンスを行えば長く使用することが可能です。ただし、構造上の特徴や素材の特性から、扱いには注意が必要です。
まず、マーチンギターは軽量かつ響きの良さを重視した設計がされています。特に、上位モデルでは「スキャロップドブレーシング」と呼ばれる加工が施されており、ボディ内部の補強材が削られています。これにより、振動がよりダイレクトに伝わり、豊かな音が生まれますが、一方で強度はやや低くなり、衝撃に対して繊細になります。
また、マーチンギターに使用されている木材は、温度や湿度の変化に敏感です。特に、乾燥した環境では木が収縮し、クラック(ひび割れ)が発生することがあります。逆に、湿度が高すぎると木が膨張し、ネックの反りやボディの変形が起こる可能性もあります。そのため、適切な湿度管理が重要になります。一般的に、40~50%の湿度を維持するのが理想的とされており、ギターケースに加湿器を入れたり、乾燥剤を使用するなどの工夫が求められます。
さらに、マーチンギターはボディの塗装が薄めに仕上げられていることも特徴の一つです。これは、木材の自然な響きを最大限に引き出すための設計ですが、薄い塗装は傷が付きやすく、使用環境によっては摩耗が早まることもあります。そのため、演奏後のクリーニングや、ギタースタンドの選び方などにも注意が必要です。
結論として、マーチンギターは「壊れやすい」というよりも「繊細な構造を持っている」ギターと言えます。適切なケアを行い、環境に気を配ることで、その美しい音色を長く楽しむことができます。
最近の品質はどう変わった?
近年、マーチンギターの品質について「昔と比べて変わったのではないか?」という意見が多く聞かれるようになりました。特に、ヴィンテージマーチンを愛用しているギタリストの間では、現行モデルと過去のモデルを比較する声が増えています。では、具体的にどのように変化したのでしょうか?
まず、大きな違いとして「製造工程の変化」が挙げられます。マーチン社は伝統的な手作業を重視しながらも、近年ではCNC(コンピュータ制御の工作機械)を導入し、精密な加工を行っています。これにより、品質のばらつきが少なくなり、安定したクオリティを維持できるようになりました。しかし一方で、手作業による微妙なニュアンスが減ったことで「昔のマーチンの方が個性的だった」と感じるギタリストもいます。
また、環境問題への配慮から、使用する木材の種類が変化してきています。従来のマーチンギターはローズウッドやマホガニーを使用することが一般的でしたが、現在ではエボニーの代わりにリッチライト(人工木材)を指板に採用するモデルが増えています。これにより、環境負荷を減らすことができる一方で、音質や手触りに違いを感じるユーザーもいます。
さらに、マーチンは近年、エントリーモデルのラインナップを強化しています。これにより、より多くのギタリストが手に取りやすくなった反面「高級モデルと比べて品質が落ちたのでは?」という意見も出ています。しかし、価格帯が異なるため、一概に品質の低下とは言えません。
このように、最近のマーチンギターは製造技術の進化や環境問題への対応により、昔とは異なる特徴を持つようになりました。これを「進化」と捉えるか「変化」と捉えるかは、ギタリストの価値観による部分が大きいでしょう。
当たり外れはあるのか?
マーチンギターは高品質なアコースティックギターとして知られていますが、「当たり外れがあるのでは?」と不安に思う人も少なくありません。特に、高価なギターであるため、購入する際には品質のばらつきが気になるところです。では、実際に当たり外れはあるのでしょうか?
まず、マーチンギターの品質は基本的に安定しており、大きな個体差が生じにくい設計になっています。これは、マーチン社が長年にわたって培ってきた製造技術と、厳格な品質管理によるものです。特に、近年ではCNC(コンピュータ制御機械)の導入により、木材のカットやブレイシングの加工がより精密になり、個体差が少なくなっています。そのため、大きな外れを引く可能性は低いと言えるでしょう。
しかし、アコースティックギターは木材を使用して作られるため、完全に同じ音や感触のものは存在しません。木材の個性によって、音の響きやサスティン(音の伸び)が微妙に異なることがあります。これが「当たり外れ」と感じる要因の一つです。また、購入後の湿度管理や弦の種類、演奏スタイルによっても音は変化するため、一概に「外れ」と判断するのは難しい部分もあります。
また、マーチンギターはハンドメイドの工程が多いため、細かい仕上げの違いが見られることもあります。例えば、ネックの握り心地やフレットの処理、塗装の仕上げなどが個体によって若干異なることがあります。これは不良品というわけではなく、むしろ手作業ならではの特徴と言えるでしょう。
結局のところ、マーチンギターの「当たり外れ」は、品質のばらつきというよりも「個体ごとの違い」と考えるのが適切です。購入前に試奏し、自分に合った一本を見つけることが大切です。また、購入後のメンテナンス次第で音の変化を楽しむこともできるため、ギターとの付き合い方も重要になります。
マーチンギターの欠点を理解した上での選び方
- マーチンギターの種類と特徴
- マーチンギターを使っている有名人
- Martin D-28を使用するアーティスト
- マーチンギターの偽物の見分け方
- マーチンギターのおすすめモデルと選び方
マーチンギターの種類と特徴
マーチンギターは、その豊かな音色と高い品質で多くのギタリストに愛されています。しかし、一口にマーチンギターと言っても、多くの種類があり、それぞれのモデルに特徴があります。ここでは、代表的なシリーズを紹介し、それぞれの違いや特徴を比較していきます。
1. Dシリーズ(ドレッドノート)
マーチンギターの中でも特に有名なのが「Dシリーズ(ドレッドノート)」です。このシリーズは、力強い低音と豊かな音量が特徴で、ストロークやコード弾きに適しています。代表的なモデルとしてD-28やD-18があり、特にD-28は数多くのプロミュージシャンに愛されています。
- D-28:ローズウッドのサイド&バックを採用し、深みのある響きと豊かな低音を持つ。
- D-18:マホガニーのサイド&バックにより、軽やかで温かみのある音色が特徴。
このように、Dシリーズは迫力のある音を求めるプレイヤーにおすすめのモデルです。
2. 000・OMシリーズ(オーディトリアム・オーケストラ)
「000シリーズ」や「OMシリーズ」は、Dシリーズよりもボディが小さく、フィンガーピッキングに適した設計になっています。音のバランスが良く、繊細なニュアンスを表現しやすいため、ソロギターやアルペジオを多用するスタイルに向いています。
- 000-28:D-28と同じローズウッドのサイド&バックを持ち、バランスの良い響きが特徴。
- OM-28:000-28に比べ、スケール(弦長)が長く、音の張りやサスティンが向上している。
このシリーズは、指弾きやソロプレイを好むギタリストに適した選択肢です。
3. 0・00シリーズ(パーラーギター)
「0(シングルオー)」「00(ダブルオー)」といったシリーズは、ボディサイズが小さく、コンパクトな設計が特徴です。特に、マーチンの「00-15」や「00-18」は、ブルースやフォークの演奏に適しており、抱えやすさも魅力の一つです。
- 00-15M:オールマホガニー仕様で、甘く柔らかい音色が特徴。
- 00-18:スプルーストップ+マホガニーサイド&バックで、明るくクリアなトーンを持つ。
小ぶりなギターを求める人や、自宅での演奏を中心に考えている人におすすめです。
4. J・GPシリーズ(ジャンボ・グランドパフォーマンス)
マーチンの「Jシリーズ」や「GP(グランドパフォーマンス)シリーズ」は、近年人気が高まっているモデルです。ボディがやや大きめで、低音の鳴りが豊かでありながら、フィンガースタイルにも対応できるバランスの良さを持っています。
- J-40:迫力のあるサウンドと美しい装飾が魅力の高級モデル。
- GPC-16E:カッタウェイ仕様で、ハイフレットの演奏性が向上している。
ライブやレコーディングでの使用を考えている人に向いているシリーズです。
5. Xシリーズ(コストパフォーマンスモデル)
「Xシリーズ」は、比較的手頃な価格でマーチンのサウンドを体験できるモデルです。合板(HPL)を使用することで、コストを抑えつつ耐久性を向上させています。
- DX1AE:トップが単板スプルース、サイド&バックにHPLを使用し、耐久性とコストを両立。
- D-X2E:エレアコ仕様で、ライブパフォーマンスにも適している。
初心者や、初めてマーチンギターを試してみたい人におすすめのシリーズです。
まとめ
マーチンギターには、多くの種類があり、それぞれのモデルに特徴があります。
- Dシリーズ は、パワフルな低音と大音量でストローク向き。
- 000・OMシリーズ は、繊細な表現がしやすく、フィンガースタイルに最適。
- 0・00シリーズ は、コンパクトでブルースやフォークに適したモデル。
- J・GPシリーズ は、バランスの良い鳴りと演奏性を両立。
- Xシリーズ は、コストを抑えつつマーチンサウンドを楽しめるモデル。
自分の演奏スタイルや用途に合わせて、最適なマーチンギターを選ぶことが大切です。
マーチンギターを使っている有名人
マーチンギターは世界中のミュージシャンに愛されており、ジャンルを問わず多くのアーティストが使用しています。その中でも、特に影響力のある有名人を紹介します。
エリック・クラプトン は、マーチンギターを愛用する代表的なアーティストの一人です。彼のアコースティックアルバム『MTV Unplugged』では、マーチン000-28ECが使用され、その繊細で温かみのあるサウンドが印象的でした。
また、エド・シーラン もマーチンの小型モデルを愛用しており、彼のライブでは頻繁に使用されています。特に、彼のシグネチャーモデル「Martin LX1E Ed Sheeran」は、彼の音楽スタイルに最適な仕様になっています。
このように、マーチンギターは多くのアーティストに選ばれており、ジャンルを問わず高い評価を受けています。
Martin D-28を使用するアーティスト
マーチンのD-28は、アコースティックギターの中でも特に人気の高いモデルの一つです。その歴史は古く、数多くの伝説的なミュージシャンに愛用されてきました。D-28を使用するアーティストを見ていくことで、このギターの魅力をより深く理解できるでしょう。
まず、D-28の代表的な使用アーティストとして挙げられるのがジョニー・キャッシュです。彼の演奏スタイルにD-28の力強い低音とバランスの取れたサウンドがマッチし、多くの楽曲でこのギターが使用されました。また、フォークシーンのレジェンドであるボブ・ディランもD-28を愛用していたことがあり、彼の独特な歌声とこのギターの温かみのある音色が融合して、名曲を生み出しました。
さらに、カントリーやブルーグラスの分野でもD-28は絶大な支持を得ています。例えば、ハンク・ウィリアムスやトニー・ライスといったアーティストは、このギターを使用して独自のスタイルを確立しました。特に、トニー・ライスのピッキングスタイルとD-28のレスポンスの良さは、多くのギタリストに影響を与えています。
ロック界ではジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)もD-28を使用しており、彼のアコースティック曲ではこのギターの力強い響きを聴くことができます。また、ニール・ヤングもD-28を長年愛用しており、彼のエモーショナルな演奏に深みを加えています。
このように、D-28はジャンルを問わず、多くの著名なミュージシャンに愛されてきました。その理由は、豊かな音量、バランスの良いトーン、そして長年の使用に耐えうる堅牢な作りにあります。D-28を手にすれば、歴代の名アーティストたちと同じサウンドを体験できるかもしれません。
マーチンギターの偽物の見分け方
マーチンギターは世界的に人気のあるブランドであるため、残念ながら偽物も存在します。特に、中古市場や個人取引の場では、見た目が本物そっくりな偽マーチンが流通していることがあります。では、どのようにして本物と偽物を見分ければよいのでしょうか?
まず、ヘッドロゴの精密さを確認しましょう。本物のマーチンギターは、ヘッドのロゴが細部まで美しく刻印されています。一方で、偽物はフォントの形が微妙に違っていたり、プリントが雑だったりすることが多いです。特に、ロゴがシールのように貼られている場合は要注意です。
次に、シリアルナンバーをチェックすることも重要です。マーチンギターには、ネックの内部(サウンドホールの近く)にシリアルナンバーが刻印されています。この番号をマーチン社の公式サイトで確認すれば、本物かどうか判断できます。偽物の場合、この刻印がなかったり、フォントが均一でなかったりすることが多いです。
また、使用されている木材にも注意が必要です。本物のマーチンは高品質な木材を使用しているため、木目が美しく、手触りも滑らかです。しかし、偽物は安価な木材を使用しているため、塗装が厚く、不自然な木目が見られることがあります。
さらに、価格が異常に安い場合も疑いましょう。新品のマーチンギターが市場価格の半額以下で販売されている場合、そのギターは偽物である可能性が高いです。特に、正規の販売ルートではなく、オークションサイトや海外の怪しい通販サイトなどで購入する際は慎重に確認しましょう。
このように、偽物のマーチンギターは細部に違いが見られるため、購入前にしっかりとチェックすることが大切です。安心して本物を手に入れるためには、正規販売店での購入をおすすめします。
マーチンギターのおすすめモデルと選び方
マーチンギターにはさまざまなモデルがあり、用途や演奏スタイルによって適したモデルが異なります。ここでは、マーチンギターの代表的なおすすめモデルを紹介するとともに、自分に合ったギターを選ぶ際のポイントについて解説します。
1. マーチンギターのおすすめモデル
① D-28(ドレッドノートの定番)
D-28は、マーチンギターの中でも特に人気の高いモデルの一つです。ローズウッドのサイド&バック、スプルースのトップを持ち、豊かでパワフルな低音が特徴。ストローク奏法に適しており、ロックやフォーク、カントリーなど幅広いジャンルで使用されています。
② D-18(温かみのあるサウンド)
D-18はD-28と同じドレッドノートサイズですが、サイド&バックにマホガニーを採用しています。そのため、D-28と比べて音の立ち上がりが早く、温かみのあるサウンドが特徴。フィンガーピッキングにも対応しやすいため、弾き語りやソロギターにも向いています。
③ 000-28(繊細なフィンガースタイル向き)
000-28は、Dシリーズよりも小ぶりなボディサイズを持ち、バランスの取れたサウンドが魅力です。ローズウッドのサイド&バックとスプルーストップの組み合わせにより、音の粒立ちがよく、指弾きに最適なモデル。繊細な表現が求められるアコースティックソロギターにも適しています。
④ OM-21(オールマイティな一本)
OM-21は、000シリーズよりもスケールが長く、張りのあるサウンドが特徴です。コードストローク、フィンガーピッキングのどちらにも適しており、幅広いプレイヤーに対応できる万能モデルとして人気があります。
⑤ 00-15M(温かみのあるマホガニーボディ)
00-15Mは、マホガニーをボディ全体に採用したモデルで、甘く柔らかいトーンが魅力です。小ぶりなサイズなので、抱えやすく弾きやすい点もポイント。特にブルースやフォークなど、ヴィンテージライクなサウンドを求めるプレイヤーにおすすめです。
⑥ GPC-16E(ライブやレコーディングに最適)
GPC-16Eは、グランドパフォーマンスサイズのボディを持つエレアコモデル。ピックアップが搭載されており、ライブやレコーディングで即戦力となるギターです。カッタウェイ仕様なのでハイフレットの演奏性も高く、ソロプレイをするギタリストにも向いています。
2. マーチンギターの選び方
マーチンギターを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。
① 自分の演奏スタイルに合ったボディサイズを選ぶ
- 大きなボディ(Dシリーズなど):音量が大きく、パワフルなストロークプレイに向いている。
- 中型ボディ(000・OMシリーズ):バランスが良く、指弾きやコード弾きのどちらにも対応。
- 小型ボディ(00・0シリーズ):軽やかで温かみのある音色が特徴。コンパクトで弾きやすい。
② 木材の種類を理解する
- ローズウッド:低音の響きが豊かで、深みのあるサウンド。
- マホガニー:軽やかで温かみのある音色。音の立ち上がりが早い。
- スプルース(トップ材):クリアで張りのあるサウンドを生み出す。
③ 予算を考慮する
マーチンギターは高価なものが多いため、予算に応じたモデルを選ぶことも大切です。例えば、高級モデルであるD-28やOM-28は30万円以上することが一般的ですが、Xシリーズのような手頃な価格帯のモデルもあります。
④ 弾きやすさを重視する
特に初心者の方は、ネックの形状やボディのサイズが自分に合っているかを確認しましょう。例えば、OMシリーズや000シリーズはネックが薄めで弾きやすいため、初心者にもおすすめです。
⑤ 用途に応じてエレアコモデルも検討する
ライブやレコーディングでの使用を考えている場合は、ピックアップが搭載されたエレアコモデルが便利です。GPCシリーズやSCシリーズなど、マーチンにはライブ向けのモデルもラインナップされています。
まとめ
マーチンギターには多くのモデルがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。D-28やD-18のような定番モデルから、000-28やOM-21のようなフィンガーピッキング向けのギターまで、多彩な選択肢があります。
また、ギターを選ぶ際には、自分の演奏スタイルに合ったボディサイズや木材の種類、予算を考慮することが重要です。ライブ用途であれば、エレアコモデルも視野に入れると良いでしょう。
自分にぴったりのマーチンギターを選び、長く愛用できる一本を見つけてください。
マーチンギターの欠点と購入前に知るべきこと
- 1833年創業のアコースティックギターの名門ブランド
- 高品質だが価格が高く、初心者には手が出しにくい
- 音の響きを重視した設計のため、ボディが繊細
- 湿度や温度の影響を受けやすく、適切な管理が必要
- 最近のモデルは品質にばらつきがあり、当たり外れがある
- 大量生産モデルでは、仕上げの精度に差が出ることがある
- 偽造品が流通しており、正規販売店での購入が推奨される
- メンテナンスを怠ると、音質や耐久性が大きく低下する
- 手作業の工程が多く、個体ごとの微妙な違いがある
- 塗装が薄く、傷がつきやすいデリケートな作り
- ネックの調整や弦高のセッティングが必要な場合がある
- モデルごとに音の特徴が異なり、用途に合う選択が重要
- 伝統的な構造のため、最新技術を採用したギターと比較すると扱いにくい場合がある
- 高価なモデルほど木材の質は良いが、その分メンテナンスの手間も増える
- カスタマイズの自由度は低く、純正パーツ以外の交換が難しい