テレキャスをピックガードなしにすると、すごくかっこいいですよね。美しい木目を見せたり、ジム・ルートやリッチー・コッツェンのモデルみたいにモダンなルックスにしたくて、興味を持つ方は多いと思います。
でも、いざ自分のギターでやろうとすると「配線はどうなってるの?」「ネジ穴が残るデメリットはどうするの?」といった疑問が出てきませんか。
単に外すだけだと「配線溝」が見えてしまったり、自作で改造するにはリスクがあったりします。かといって、チャーベルのような最初からピックガードがないモデルを選ぶのも一つの手ですが、まずは手持ちのギターで何ができるか知りたいですよね。
この記事では、テレキャスのピックガードなし仕様について、改造の注意点から、透明ピックガードのような選択肢、ダイレクトマウントのメリットまで、皆さんの疑問をスッキリ解決していきます。
テレキャス ピックガードなし改造の注意点
手軽に外せそうに見えるピックガードですが、実はフェンダー系のギターには特有の「落とし穴」があるんです。勢いで外しちゃう前に、まずは知っておくべき注意点をまとめました。
その改造、配線が見えるかも
「よし、木目を出そう!」と思ってピックガードを外したら、「あれ?なんか溝が掘ってある…」と驚くことがあります。これは多くのフェンダー系ギターが採用している「トップルート」という製造方法が原因ですね。
これは、ピックアップからコントロールノブ(ボリュームとかトーン)へ配線を通すための溝(ワイヤーチャンネル)を、ボディの表面から直接掘っている方式です。どうせピックガードで隠れるから、という合理的な設計なんです。
改造の「あるある」失敗談
一番よく聞くのが、「美しい木目を期待してピックガードを外したら、無骨な配線の溝が丸見えになってしまった」というケースです。こうなると、想像していた「かっこいい」姿とは程遠いものになってしまいます。
最近のモデルだと、製造工程でボディを固定するための小さな「ガイド穴」が隠れていることもありますね。
なので、ご自身のテレキャスターがトップルート方式の場合、単純にピックガードを外すだけでは、ほぼ間違いなくこの配線溝やガイド穴が露出してしまいます。
デメリットとネジ穴の処理法
配線溝の問題をクリアしたとしても、まだ直面する現実的なデメリットが2つあります。
1. ネジ穴がそのまま残る
当然ですが、ピックガードを固定していたたくさんのネジ穴が、ボディトップにくっきりと残ります。これを「ラフでかっこいい」と捉えるか、「みすぼらしい」と感じるかは、本当に好みが分かれるところかなと思います。
豆知識:ネジ穴の簡易処理
もしネジ穴を埋めたい場合、一番手軽なのは「爪楊枝(や竹串)と木工用ボンド」を使う方法です(参照:自分でできる!エレキギターのピックガード交換と穴埋め・下穴のやり方を解説|サウンドハウス)
ボンドを付けた爪楊枝を穴に差し込み、乾いたらカッターなどで表面とツライチにカットします。完全に消えるわけではありませんが、穴が空きっぱなしよりは目立たなくなりますね。
2. 日焼け跡(Tan line)が残る
長年使ってきたギターほど注意が必要なのが、この「日焼け跡」です。塗装は(特にラッカー塗装だと)時間と共に色が変わっていきます。
ピックガードで隠れていた部分は新品時の色のまま、露出していた部分だけが焼けているので、外すと色の違いがクッキリと出てしまうんです。これはもう、どうしようもない歴史の証ですね…
改造のリスクと現実的な対策
「どうしても配線溝もネジ穴もない、ツルツルのボディにしたい!」という場合、方法はかなり本格的になります。
理想的なのは、コントロール類へのアクセスをボディの裏側から行う「リアルート(バックルート)」という仕様のボディを手に入れることです。これなら、ボディ表面にはピックアップの穴とブリッジの穴しか空いていません。
手持ちのギターをリアルート化するには、フロントピックアップの穴からコントロール部分まで、ボディ内部を貫通する長いトンネルをドリルで開ける必要があります。
DIYのハイリスクな加工
ハッキリ言って、このドリル加工は素人には絶対におすすめできません。少しでも角度がズレると、ドリルがボディの表面や裏面を突き破ってギターが再起不能になるリスクが非常に高いです。
もし挑戦するなら、リペア専門のショップに相談するか、最初からリアルート仕様でオーダーできるWarmoth(ウォームス)のようなカスタムボディメーカーの製品に交換するのが、最も現実的で安全な対策かなと思います。
透明ピックガードという選択肢
「配線溝は隠したい、でも木目は見せたい…」そんなジレンマを解決する、非常に現実的でスマートな選択肢が「透明ピックガード(クリアピックガード)」です。
アクリルなどの透明な素材で作られたピックガードに交換するだけ。これなら、標準のピックガードと同じように、いろんな問題を一気に解決できます。
透明ピックガードのメリット
- 木目を隠さない:これが最大の目的ですね。美しい杢目を堪能できます。
- 配線溝やネジ穴を隠せる:標準の形なら、見えてほしくない部分をしっかりカバー。
- ボディを保護できる:ピックガード本来の役目である、ピック傷からの保護もバッチリです。
市販品もありますし、アクリル板を買ってきて自作する強者もいますが、アクリルはカットやネジ穴開けが結構難しいので、最初は市販品を探すのが無難かもしれませんね。
自作DIYで失敗しないために
もし「オレはネジ穴を埋めて、ラフなスタイルでいく!」と決めた場合、穴埋めの方法にも少し触れておきます。
先ほど「爪楊枝」の簡易的な方法を紹介しましたが、もっと本格的にやるなら「ダボ(埋め木)」を使います。穴と同じ径の木の丸棒を打ち込んで接着する方法ですね。
ここでのポイントは「木目の方向」です。プロのリペアマンは、周りのボディ材と同じ木目方向のプラグ(埋め木)を専用の工具で作って埋め込みますが、これはかなり高度な技術です。
木工用パテは非推奨?
よくホームセンターで売っている「木工用パテ」は、ギターの補修にはあまり向いていない、と私は考えています。パテは乾燥すると「肉痩せ」といって体積が縮む(へこむ)ことがあり、上から塗装しても後で補修跡が浮き出てきやすいんです。
また、強度的にも木材そのものより弱いので、振動する楽器のボディには、やはり木で埋めるのが一番かなと思います。
テレキャス ピックガードなし仕様の魅力
注意点ばかり話してしまいましたが、もちろんピックガードなし仕様には、それを上回るほどの魅力があります! 音の変化から、かっこいいモデルまで、そのメリットを見ていきましょう。
ダイレクトマウントのメリット
ピックガードをなくした場合、多くはフロントピックアップをボディに直接ネジで固定する「ダイレクトマウント」方式に変更することになります。(伝統的なテレキャスはピックガードから吊り下げていますよね)
実はこの固定方法の違いが、サウンドに結構な影響を与えるんです。
音がどう変わる?
「音が変わる」というのはよく言われることで、私もそう感じます。一般的に言われるメリットをまとめてみますね。
ダイレクトマウントの音響メリット
- 音がタイトになる:ピックアップがボディと一体化することで、弦の振動だけでなくボディの鳴りも一緒に拾うようになります。これが「ウッディな響き」や「音が引き締まる」感じに繋がる印象です。
- レスポンスが速い:ピッキングに対する反応が速く、特に強く歪ませた時に音が潰れにくいと感じる人が多いですね。リフの刻みが明瞭になるというか。
- ハウリングに強い:大音量で演奏すると、ピックガード自体が振動して「ピー」というハウリング(マイクロフォニック)を起こすことがあります。そのピックガードを無くすわけですから、構造的にハウリングに強くなります。
特にハイゲインな音楽をやる人にとって、この「音が潰れにくい」「ハウリングに強い」というメリットは、見た目以上に大きな魅力かもしれません。
かっこいいルックスと木目の美学
とはいえ、やっぱり一番の魅力はルックスですよね!
美しいアッシュやアルダーの木目、あるいは豪華なフレイムメイプルやキルトメイプルの「ドロップトップ」仕様など、わざわざ隠すのがもったいない!と思わせるギターはたくさんあります。
もちろん好みは分かれます。「配線溝やネジ穴がむき出しなのがパンクでかっこいい」という人もいれば、「単純に部品が足りない未完成品に見える」という人もいます。これはもう、自分のスタイルを貫くのが一番かなと思います。
ジムルート仕様のモダンな音
ピックガードなしのテレキャス、と聞いてSlipknot(スリップノット)のジム・ルートのモデルを思い浮かべる人も多いんじゃないでしょうか。
あのモデルは、見たこそテレキャスですが、中身はゴリゴリのモダン仕様です。
- ボディ材:マホガニー(レスポールみたいに中低域が太い)
- ピックアップ:EMGのアクティブピックアップ(ノイズが少なくハイパワー)
- ブリッジ:ハードテイル(弦振動をしっかりボディに伝える)
伝統的なテレキャスの「チャキチャキ感」とはまったく別物で、ダウンチューニングでヘヴィなリフを刻むための機能美が詰まっています。ピックガードがないことで、その無機質でソリッドな魅力が一層際立ってますよね。
リッチーコッツェンと豪華な見た目
もう一人、このスタイルで有名なのがリッチー・コッツェンですね。彼のモデルはジム・ルートとは対照的で、「豪華さ」の象徴としてピックガードレス(風)になっています。
なんといっても、ボディトップに貼られた美しいフレイムメイプルが特徴です。これを隠したくないから、多くのオーナーが標準のピックガードを外したり、先ほどの「透明ピックガード」に交換したりしています。
注意:リッチーモデルもトップルート
非常に人気のあるモデルですが、このリッチー・コッツェンモデルも、実は標準では配線溝(トップルート)が存在します。そのため、完全にピックガードを外してしまうと溝が見えてしまう点は、購入や改造を検討するなら知っておいた方が良いポイントですね。
チャーベルなどモダンギターの選択
「改造のリスクは取りたくないけど、ピックガードなしのモダンなテレキャスが欲しい!」という場合、最初からその仕様で設計されたギターを選ぶのが一番の近道です。
最近は「Super-Teles(スーパーテレ)」なんて呼ばれたりもしますね。フェンダー傘下のブランドや、日本が誇るブランドからも素晴らしいモデルがたくさん出ています。
Charvel (シャーベル)
Pro-Mod So-Cal Style 2 などが代表的です。フェンダーの伝統的な形をリスペクトしつつ、ハイゲインピックアップや、ハイポジションが弾きやすい「コンパウンドラジアス」指板など、現代的なプレイに対応した仕様が満載です。
Ibanez (アイバニーズ)
AZSシリーズは、まさにテレキャスターの現代的な再解釈モデルです。ネックに高熱処理を施した「S-TECH WOOD(ローステッドメイプル)」を採用するなど、日本製らしい精密さと高い安定性が魅力ですね。
Schecter (シェクター)
PTシリーズは、ハードロックやメタル系のギタリストに長年愛されています。黒いボディにクリーム色のバインディング、2ハムバッカー仕様は、ピックガードなしテレキャスの「お手本」のようなデザインの一つです。
改造の手間や失敗のリスクを考えたら、最初から自分の理想の仕様になっているギターを探すのも、賢い選択だと思います。
理想のテレキャス ピックガードなしを探す
さて、ここまで「ピックガードなしのテレキャス」について、改造の注意点から魅力的なモデルまで見てきました。
結局のところ、あなたが「なぜピックガードを外したいのか?」という動機によって、選ぶべき道が変わってくるかなと思います。
ラフな見た目が好きなら
配線溝やネジ穴を「それも味」として受け入れ、あえてラフに外してみるのもパンク的でかっこいいと思います。塗装が剥げるのも恐れず、弾き倒す相棒にするのも素敵ですね。
木目を活かしたい・保護したいなら
手持ちのギターを活かすなら「透明ピックガード」への交換が最も現実的で、満足度も高い選択肢になることが多いです。
モダンな音とルックスが欲しいなら
無理に改造するよりも、Charvel、Ibanez、Schecter、あるいはジム・ルートモデルのような、最初から完成された「ピックガードなし」モデルを検討するのが確実です。
「ピックガードなしのテレキャス」というスタイルは、テレキャスターというギターの懐の深さ、そして自分のこだわりを表現する一つの方法ですね。この記事が、あなたの理想の一本を見つけるヒントになれば嬉しいです!

